『幹細胞WARS』書評

 終日、自室で原稿を書く。疼痛に苦しめられる。気温13度ぐらいが分岐点かもしれない。夜半に2本送稿。
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 数日前のことだが、『週刊読書人』に書いた『幹細胞WARS』の書評原稿が(僕が知らないうちに)ネットにアップされていることに気づく。『読書人』のサイトではない。

原題は『細胞の細胞(Cell of Cells)』。英語圏で『幹細胞戦争(Stem Cell Wars)』という本が発行されているが、本書は別の作品である。「幹細胞」とは、本書の原題が示す通り、身体を構成するさまざまな細胞のもとになる細胞である。なかでも有名なのが、一九九八年にアメリカの研究者がヒトでの樹立成功を報告した「ES細胞(胚性幹細胞)」と、二〇〇七年に日本の研究者が報告した「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」である。どちらも増え続ける能力と、さまざまな細胞へと変容する可能性を秘めていることから、日本語圏では「万能細胞」と呼ばれることもある。〔略〕

http://canpan.info/open/news/0000004514/news_detail.html

 一番下の斜めになっているURLをクリックすれば、そのサイトをたどれます。ご一読いただけたら、幸いです。
 ちなみにいま幹細胞について書かれ、日本語で読める本のなかで、情報量がいちばん多いのは、上記のシンシア・フォックス著『幹細胞WARS』(一灯舎)だが、議論の質がいちばん高いのはドナ・ディケンソン著『ボディショッピング』(河出書房新社)だと僕は思う。
「言論」というものは、その形式が学問的であろうとジャーナリズムであろうと、語る対象が作品であれ人であれ現象であれ、その最も重要な中核をつかみ、それを鵜呑みにせずに吟味することから始まる。
 というわけで、僕がこの11月にとりあえずまとめたテキストは、結果として『ボディショッピング』批判を含むものとなった。やまほどある “幹細胞言説” のなかで、最もレベルが高いものこそ、批判する価値があると考えたわけだ。
 以上、あくまでも自戒を込めて。09.11.22

幹細胞WARS―幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争

幹細胞WARS―幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争

  • 作者: シンシアフォックス,西川伸一,Cynthia Fox,志立あや,千葉啓恵,三谷祐貴子
  • 出版社/メーカー: 一灯舎
  • 発売日: 2009/07/01
  • メディア: 単行本
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