本入手、受精卵、春樹

 午前中、某所用でガッコへ。また本が増えた。うれしいことではある。とっとと帰室。
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不妊治療」の研究のために精子卵子を受精させることが認められるとのことです。

 文部科学省厚生労働省の合同専門委員会は26日、不妊治療の研究のために卵子精子で受精卵を作製するためのルールを盛り込んだ報告書をまとめた。
 不妊の治療目的で採取した患者の未受精卵で、本人が無償提供に同意した場合に限定し、研究だけのためにボランティアが提供するケースは当面認めないとした点が柱。報告書に基づき、両省は来年度にも指針をまとめる。
 研究用の未受精卵や精子の提供について、報告書は20歳未満や判断能力が乏しい人は対象外とし、自由意思による提供であることを十分確認することなども規定した。(無署名「受精卵の作製は不妊治療に限定」、『読売新聞(YOMIURI ONLINE)』2009年1月27日)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090127-OYT8T00265.htm


研究目的の受精卵作製を容認 国の専門委
http://www.asahi.com/science/update/0126/TKY200901260258.html
夫婦間以外の受精卵作製研究も可能に 厚労・文科省が指針案
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090126AT1G2602R26012009.html
ヒト受精卵研究、国が限定容認=運用指針策定へ−厚労、文科省
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009012600677
研究用受精卵の指針策定へ 作製後14日以内に廃棄
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012601000635.html


文部科学省厚生労働省の合同専門委員会」というのは、「科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会生殖補助医療研究専門委員会(第24回)」のことですね。


科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会「生殖補助医療研究専門委員会」(第24回)
http://www.lifescience.mext.go.jp/council/program_council.html?b=12&l=401


 ……と思っていたら、学会がiPS細胞からつくった精子卵子の受精を認めるべきという方針を打ち出したようです。

 
iPS細胞から受精卵作り、容認を 学会が提言へ
http://www.asahi.com/health/news/TKY200901260276.html
ヒトiPS細胞から受精卵=研究容認求める見解−生殖再生医学
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009012800782


 ES細胞やiPS細胞からの精子卵子の分化誘導って、動物でもそんなに進んでいないのでは? もちろん受精も。「人間と動物は違うんだから、最初から人間で実験しよう」というのが、最近の傾向なのでしょうか……。
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 ……やっぱ、コメントしなきゃだめですか。気が進まないのですが……。


村上春樹さんにエルサレム賞
http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200901240160.html
村上春樹さんに「エルサレム賞
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090124-OYT1T00991.htm?from=navr


 この時期にかよ……もちろん、僕も多くのハルキアンと同じく、春樹がなんらかの政治的発言をするとは思っていません。そういう人ではありません。(しかし、春樹の現時点での最新長編が、現代社会に生きる人間の底知れぬ「悪意」を描いた佳作『アフターダーク』(講談社)であることは覚えておいていいでしょう。僕は多くのハルキアンと違って、この作品を好意的に評価しています。)
 それでもなお、個人的には、受賞するのが村上春樹ではなく、池澤夏樹だったらどうだろう、という夢想をせずにはいられません(僕は池澤の愛読者でもあるのです)。そんな自分の夢想についても、こんなため息が出てしまいます。「やれやれ」。09.1.28