2008-01-01から1年間の記事一覧

恒例!? 今年の収穫ベスト3

では…。 「ベスト3」を選べるほど、たくさんの作品を観られたわけではないのだが……以下、過去エントリーからの採録を含む。ご了承を。 ●『イントゥ・ザ・ワイルド』(ショーン・ペン監督) 原作はノンフィクション(ジョン・クラカワー著『荒野へ』、集英社…

やっぱり「病人を見殺しにする国」?

最近、子どもの「無保険」問題が議論され、それなりの解決に向かいましたが、問題は子どもだけではありません。 民医連だけでなく、日本経済新聞社の調査でも、「受診抑制」が広がっていることがわかったそうです。ほとんど同じような結果ですね。 医療費が…

『メディカルバイオ』2009年1月号!

数日前のことですが、オーム社の各月刊誌『メディカルバイオ』2009年1月号が発売されました。 今回は、鳥インフルエンザ特集ですね。非常に読み応えがあります。1980円です。ぜひお買い求めください(経費でどうぞ)。 僕は連載「海外ヘッドライン」で、ビ…

生-経済、生-資本の困難

タイミングが悪いのですが、11日、政府の「BT推進官民会議」が、「ドリームBTジャパン」というものをまとめたそうです。2002年の「BT戦略大綱」を更新したものです。 生命科学分野関連の閣僚や有識者でつくる「BT(バイオテクノロジー)戦略推進官民会議」…

第三極=第三の道?

昼過ぎにガッコへ。某予算で買っていただいた本数冊を入手。またT先生からある雑誌を借り、そこに掲載されている論文数本を共同研究室でコピー。さらに図書館のパソコン端末で、電子ジャーナルから大量の論文をプリントアウト。一日で、大量の資料を入手し…

科学的根拠に基づく政策

ほぼ終日、原稿。なかなかまとまりません。 ※ アメリカでは、オバマ次期内閣の顔ぶれが揃ったようですね。 〔略〕科学技術政策の透明性を高める意味からも、意思決定に直接かかわる補佐官復活を求める声が科学界からあり、科学的根拠に基づく政策決定を公約…

病人を見殺しにする国

本日はほぼ終日、自室にて作業。 ※ いろいろとコメントしたいニュースがたくさんあるのですが、どれもこれもというわけにはいかないので、1つに絞りましょう。 親が保険料を支払えないため、子どもが「無保険」になっていた問題が、とりあえずは改正保険法…

近況、ごあいさつ、「大丈夫で……」

火曜日、国士舘大学鶴川キャンパスにて、「生命科学と21世紀社会」第10講として、先週に続き、「出生前診断」について話す。最近のイギリスの調査結果など、やや込み入った話。そのあいまに定期試験について話し、学生たちをビビらせる。終了後、何人かの学…

告知:報道の魂『ある名誉毀損判決の波紋』〜オリコンVSジャーナリ

12月21日24時55分から、TBSの「報道の魂」という番組で、オリコン訴訟についてのドキュメンタリーが放映されるとのことです。 いわゆる大手メディアがオリコン訴訟を正面から扱うのは初めてではないでしょうか。みなさま、ぜひ、ご覧ください。 また、僕はテ…

追伸----医療費窓口負担について

先日公開された「JCcast第22回 十条問題」にて、僕は、ヨーロッパのほとんどの国では医療費の窓口負担はゼロ、と、うろおぼえのまま口走ってしまったのですが、医師らの団体「医療費の窓口負担 ゼロの会」のウェブサイトによると、 〔ア〕イルランド、イギリ…

着床前診断報道でわかること、わからないこと

13日のことですが、日本産科婦人科学会が着床前診断(受精卵診断)の現状を発表しました。 各紙から要点をまとめてみます。 〔略〕 全国で過去3年間に行われた件数と結果を公表した。 同学会に報告した8医療機関では44人の女性に受精卵64個を戻したが…

JCcast第22回!

JCcast第22回が公開されました。先日少しだけチラつかせましたが、今回は赤木智弘君の東京進出を記念(?)して、「十条」特集です。YYjこと山下祐司君が東十条病院閉院について話題提供し、赤木君がひとり暮らしの再開にさいして考えたことを、十条という街…

近況(信頼、悪夢、クローン)

少しあいだが空いてしまった。 ※ ●8日(月) いつのまにか、12月8日が過ぎていた……。 ●9日(火) 午前中、国士舘大学鶴川キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」第9講として、出生前診断の概略を話す。講義中はほとんど疼痛を感じず。 いったん帰室して…

ES細胞、ガイドライン、幹細胞ツーリズム

京都大学の研究者が、新たにヒトES細胞を2株、樹立したらしい。『産経』が比較的詳しく伝えているが、『毎日』と『京都新聞』に興味深い記述がある。 あらゆる組織に分化できる人の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を、京都大学再生医科学研究所の中辻憲夫教…

万能細胞、生殖細胞、動物福祉

午前中から国士舘大学鶴川キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」第8講、これまでiPS細胞、ファン・ウソク事件について話し、その背景としてES細胞、クローン技術、生殖技術について話したのだが、ここでまたファン・ウソク事件について復習。ようやく来週…

『シリアの花嫁』

僕のところには月に数通、いくつかの配給・宣伝会社から映画の試写状が届く。以前はもっと多かったが、最近は少ない。そのほとんどは、小予算で制作され、ミニシアターでかかる作品である。僕の好みのものが多く、たいへんありがたい。今日の午後、京橋の映…

汚名を着せられた人々の幸い

午前中、プールで歩いた後、午後、所用で虎ノ門へ。その後、ガッコへ。 提出しようとしていた書類に不備があることが発覚。また別の書類を提出するはめになってしまった……。大学という制度は、研究者・教員・学生の時間と意欲を奪うようにできているのか。 …

「セキュリティ」の意味

午前中から国士舘大学鶴川キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」第7講として、先週から引き続き、生殖技術について話す。私語はすっかり減った。ありがたい。来週からは出生前診断などについて話すことになる。 終了後、いったん帰室してから、プールへ。…

幹細胞研究の規制緩和

幹細胞の話題ばかりで恐縮だが……アメリカでは、オバマ新政権によって連邦予算を使えるES細胞株が拡大され、日本では、2重審査体制が緩和されるという。日本再生医療学会の主張が通ることになる(出典の表記法を試験的に変えてみます)。 政府の総合科学技術…

SF的な、あまりにSF的な

すでにタイミングが悪いが、コメントしなくちゃ、と思っていて時間が過ぎてしまったのが、日本の研究者らが、ヒトES細胞から脳組織をつくることに成功した、というニュース。 ヒトES細胞から脳組織作成に成功 理研 万能細胞とされるヒトの胚(はい)性幹細…

講義、ゼミ、原稿

●18日(火) 朝から国士舘大学鶴川キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」の第6講。体外受精などいわゆる生殖技術について話す。毎回悩まされる私語は少なかった。おそらく私語をする連中が出席しなくなったためであろう。僕としてはやりやすい。例によっ…

告知:版元の編集担当者とフリーランスとの出会いの場

僕自身は行くことができるかどうかわからないのですが、出版フリーランサーのユニオン「出版ネッツ」主催で、以下のような催しが開催されます(なぜかウェブサイトには掲載されていないので、MLからコピペします)。 forumに同封したチラシでお知らせしたよ…

更新遅れ、神保町、yes men

いろいろあって更新が滞りました……。 ※ 本日は午後、神保町でイギリス在住オランダ人人類学者のインタビューを受ける。彼女には2年前にもインタビューされたことがあり、そのときはさぼうるで話したのだが、今日は古瀬戸で。そして2年前には日本語でだった…

疼痛の不思議

リハビリにはいつも金曜日に行っているのだが、先週の金曜日は、担当の理学療法士がお休みだったため、土曜日の午前中に行ってきた。 その前後からどうも調子が悪く、疼痛が復活してきた。日曜日はほぼずっと寝ていた。 今日は火曜なので、国士舘大学で非常…

JCcast、図書館難民の憂鬱、『チェチェンへ』

JCcast第21回が公開されました。 先日ご紹介した通り、僕は「ビスフェノールA」について、山下君はアメリカ大統領選挙における科学政策論争について、赤木君は「こんにゃくゼリー」について話題提供しました。ご試聴いただければ幸いです。 JCcast第21回 ※ …

オバマvsマケイン@幹細胞研究

アメリカの大統領選挙の投票は4日(火)である。もう勝負はついたようなものだが。 科学政策に興味を持つ人のあいだではすでに広く知られているが、「サイエンス・ディベイト2008」というウェブサイトが、オバマとマケインに対し科学政策についての質問14項…

近況(フツーの社会であれ)

●26日(日) 午後、三田の慶応大学へ。社会思想学会の「「人間」概要の変容と生命倫理」というセッションで発表。学会での発表は生まれて2度目。「〈万能〉細胞の誕生?」という題目で、『現代思想』7月号に書いたことをベースにし、最近の話題をいくつか…

『メディカルバイオ』11月号!

本日、オーム社の各月刊誌『メディカルバイオ』11月号が届きました。今号もiPS細胞情報が満載です(笑)。 さて僕はこの雑誌のなかではあいかわらず浮いているのですが(笑)、空気を読まずに続けている連載コラム「海外ヘッドラインdeライフサイエンス」で…

議論による終焉、か?

『産経新聞(産経ニュース)』がiPS細胞について「主張」で触れている。 【主張】iPS細胞 臨床応用研究へ全力注げ 2008.10.11 03:30 生命倫理問題をクリアしてどんな細胞にもなり得るiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使う夢の再生医療が実現に向かって大…

アダプター、発表準備、講義資料

また少し更新が滞ってしまいました。別に体調が悪かったわけではありません。むしろこの2週間ほど、疼痛は比較的低いレベルにとどまっています。今週末の発表と、来週に提出予定のある書類の準備に追われています。 そのあいまに国士舘大学で講義をしている…