ファストフード考

 武田さんは、マクドナルドなどのファストフード店では、一般的に店員と客とのあいだには“匿名性”が保たれているのだが、何度も利用していると、それが破られることがある----つまり“お得意さん”と認識されうる----と書いたりしゃべったりしている(JCcastで、ファストフードについて雑談したことがあったが、そのときにも話題として出てきたかもしれない。この回は、山下君がインフルエンザについてたいへん秀逸なレポートを展開したのだが、最後が“雑談”で締められてしまっているのが残念)。
 僕は、マクドナルドはたまにしか利用しないが、松屋はよく利用する。松屋で僕も武田さんと似たような経験がある。僕は真夏でも、暖かいお茶を頼むことが多いのだが、毎週火曜日の昼食によく入る鶴川の松屋では、僕が「お茶いただけませんか」と言う前に、お茶が出てきたことが何度かある。そしてこの店でいつも感じる難点は、お茶が熱すぎてすぐには飲めないことである。
 今日の夕方、偶然入った地元の松屋でもお茶を頼んだのだが、その温度はぬるすぎた。食事を終え、お茶を飲み終えてから、「すいません、お茶もう一杯いただけませんか」と頼んでみた。店員はすぐに了解してくれたのだが、ほかの作業が優先されたらしく、2杯目のお茶が出てくるまでにはやや時間がかかった。お茶は“ファスト”ではなかった。そして、それもぬるすぎた。松屋のノウハウはお茶までは標準化されていないらしい。
 ただし、そんなことを文句として言うのは、間違いだ。論理的にも倫理的にもおかしい。お茶は無料なのだ。そして食事自体も充分に安い。僕にとってはありがたいのだが、安すぎるといってもいい。だから僕はいつものように、ごちそうさま、と言って店を出た。
 また日本では、ファストフード店でもそうではない飲食店でも、水は頼まないでも出てくるし、日本茶は、置いてある店ならばたいてい無料でもらえるが、僕がこれまでに訪れた外国では、飲食店(ファストフードではない飲食店)では、水(水道水)でさえも、頼まないと出てこないことが普通だった(主にヨーロッパでの経験。韓国では、水は頼まないでも出てきたような記憶があるが、定かではない)。飲食店で「お茶」を無料で飲めるなんてことは、おそらく日本でだけではないか。情報求む。09.7.24 (追記:アジアの多くの国では、水は、頼まないでも普通に出てくる、というご指摘がありました。僕の記憶はヨーロッパに偏っているようです。09.7.25)