『タイタンの戦い』

 途中下車していつものシネコンと同じ系列のシネコンで『タイタンの戦い』を観る。妙に混んでいるな、と思ったら、レディースデイのようだった。
 それはともかく、この映画は1980年代に公開された同名映画のリメイク。オリジナルは、僕的には映画を観始めたころに接した思い出深い作品であり、映画史的にはCGの登場以前につくられた特撮ものの傑作である。
 今日観たリメイク版についていえば、さすがにCGによるクリーチャーの迫力はすさまじい。3Dの効果も抜群。しかし、それ以外はどうだろう。ストーリーの展開は明らかに早すぎ。クリーチャーそのものはともなくとして、その登場の仕方にはやや疑問。オリジナルのほうは、もう少し“じらす”ような感じがあったと思うが、リメイク版にはなかった。
 このリメイク版から、クリーチャー(とそのアクション)の迫力を取り除いたら、いったい何か残るだろうか……とイジワルなことを思ってしまったのだが、それを言ったらオリジナルも五十歩百歩かもしれない。こけおどしの方法が手作り人形からCGに代わっただけ。そしていまの僕は中学生ではなく、40男である。
 映画を観ているあいだ、退屈しなかっただけでよしとしよう。10.4.28