近況、ごあいさつ、「大丈夫で……」

 火曜日、国士舘大学鶴川キャンパスにて、「生命科学と21世紀社会」第10講として、先週に続き、「出生前診断」について話す。最近のイギリスの調査結果など、やや込み入った話。そのあいまに定期試験について話し、学生たちをビビらせる。終了後、何人かの学生さんが試験について質問してきたので、適当にあしらっていたのだが、その後、1人の男子学生が深刻な顔で話しかけてくる。質問、というか、半ば相談のような話をしてきたので、僕も自分の経験などまじえながら答える。事務室まで歩きながら、いろいろと話す。非常に印象的な会話で、ほんとうは記憶の新しいうちに書き残しておきたいのだが、プライバシーにかかわることなので、やめておこう。一見ごく普通のイケメン学生だったのだが、心に重いものを持っていたようで、僕の話は偶然にも彼の琴線に触れたようだった。「生命科学と21世紀社会」は所詮、選択科目なので、学生の大半はまったくやる気がないのだが、1人でも反応してくれる学生がいる以上(毎年何人かはいるのだ!)、手を抜くわけにはいかない。教育にかかわって、ほんとうによかったと思える経験だった。
 水曜日、今度は学生として、明治学院大学白金校舎にて、「社会学基礎演習」に参加。ルーマンの『信頼』第2章(勁草書房)を読む。僕は『現代思想』6月号「特集 ニューロエシックス」に書いた短い原稿で、実はこの『信頼』の一部を引用して、fMRIによる脳スキャンについて論じたのだが、若干、ミスリーディングがあったかもしれない。
 終了後、目黒まで歩きながら食事をし、山手線で渋谷に移動。あるものを観る。現時点では、このことについては何も書けない。頭が真っ白になってしまった。というか、僕にはそもそも批評不可能なものなのだが……。
 本日はほぼ終日、自室にて作業。明日はリハビリ。
 今年度末も恒例のアレ、やりますからね。お楽しみに(?)。
 また、来年も今年に続き、新年のあいさつは控えさせていただきます。みなさんの新しい年が、「大丈夫であるように」。08.12.18

信頼―社会的な複雑性の縮減メカニズム

信頼―社会的な複雑性の縮減メカニズム