やっぱり「病人を見殺しにする国」?

 最近、子どもの「無保険」問題が議論され、それなりの解決に向かいましたが、問題は子どもだけではありません。
 民医連だけでなく、日本経済新聞社の調査でも、「受診抑制」が広がっていることがわかったそうです。ほとんど同じような結果ですね。

 医療費がかさむという理由で受診を控えた経験がある人が4割を超えていることが、全国の2000人を対象に日本経済新聞社が実施した調査で分かった。医療機関の閉鎖や診療科の縮小が身近であったとする回答は3割近く。誰でも必要なときに必要な医療を受けられる「フリーアクセス」の確保が難しくなり、医療に対する不安が強まりつつある実態が浮かんだ。
 調査は今年11月、全国の20歳以上の男女各1000人を対象に実施。1407人(70.4%)から有効回答を得た。( 「医療費かさむことを理由に「受診控えた」4割 日経が意識調査」、『日本経済新聞』2008年12月28日付朝刊)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081228AT1G2201A27122008.html

医療機関の閉鎖や診療科の縮小が身近であったとする回答は3割近く」というのが気になります。先日の「JCcast」では、山下君が東十条病院の閉鎖問題について話題提供し、同地では幸いにもほとんどの患者が別の医療機関を見つけられたとのことだったのですが、地域によっては、まずいことになってしまった人も少なくないでしょう。
 後期高齢者医療制度でも。

 後期高齢者医療制度の保険料は、「特別徴収」と呼ばれる年金 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、年金からの天引き以外で保険料を納める「普通徴収」での保険料滞納率が8、9月、県平均でともに13・7%に上ったことが県保険医協会の調査でわかった。4割を超える町もあり、協会は制度の理解不足に加え、経済事情から保険料を納められない人が相当数いるとみている。
〔略〕
 滞納が1年以上続くと、保険証が発行されず医療機関を受診した際、いったん医療費の全額を自己負担しなければならない。〔略〕(「滞納率平均13・7% 理解不足や経済的事情も
」、『読売新聞』2008年12月28日付)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20081227-OYT8T00659.htm

 こちらは必ずしも「経済事情」だけが理由ではないとのことですが、気になる傾向ではあります。
 日本は「病人を見殺しにする国」になってしまうのでしょうか。