ならば足を動かすしかない、のか。

 18日に参加した東京財団の公開研究会のレポートがぬで島氏によってまとめられた。
 
公開研究会「政策研究としての生命倫理−プロジェクト2年半の総括」
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=566
 
「参加者との討議」として、次のようなやりとりがあったことが記録されている。

*先端医療における人体の一部の利用は、提供する人と受け取る人の間に大きな格差、不平等があることがいちばんの問題ではないか。とくに、コストの低い国に出かけて先端医療を受けるツーリズムが蔓延してきた。そうしたグローバリズムがもたらす経済格差などの前では、先進国内の生命倫理の議論は無力ではないか。
 →先にもメンバーから一国では対応できないとのコメントがあったが、国際的なレベルでの取り組みが不可欠なのは間違いない。だが国際社会での対応を求める議論を行うには、自国の姿勢とルールを確立したうえでないと、力を持てない。フランスが生命倫理法の制定を急いだのも、国内問題への対応だけでなく、国を超えたレベルでのルールづくりの議論をリードするためという面もあったと考える。日本もそうした取り組みを急ぐ必要がある。

 この質問者は僕である(笑)。僕はいつものことながら空気を読まない質問をしてしまったのだが、ぬで島氏は手短かではあったが誠実に応えてくれたと思う。
 まるで水が高いところから低いところへ流れ落ちるように、リスクもまた、北から南へ(あるいは北や南それぞれのなかで「上」から「下」へ)流れ落ちる、ということは何度でも強調しておきたい。

 なお20日に参加した「第三者の関わる生殖技術について考える会立ち上げ集会」は、『毎日』と『時事』が記事にしている。


非配偶者間人工授精:出生の2人、ショック受けた…でも知る必要ある 都内で考える会
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20100321ddm041040075000c.html


生殖技術に待った!=生まれた子ら問題訴え−「考える会」発足・東京
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032000341


 残念ながら、どちらの記事も読んでいてもどかしい。メディアという情報フィルタの機能を考え得れば、当然といえば当然だが。
 ならば足を動かすしかない、のか。10.3.31