医療ムック『イリホリ』03号「痛みの最新科学」が発売!

 待ちに待ったこの日がやってきました。エクスナレッジ社のムック『イリホリ』03号が発売されました! 特集は「頭痛と腰痛 痛みの科学」です。
 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、僕は2007年の夏の終わり以来、重度の慢性腰痛に苦しめられています。一時期は、椅子に30分座り続けることができず、歩くときは右足を引きずっていました。その後、2度に渡る故郷での集中リハビリ期間を経て、なんとか日常に回復しましたが、いまも完治したわけではありません。
 そんな僕はもちろん、このムックでは腰痛のパートを担当し、腰痛の専門家4人(加茂淳先生、小川節郎先生、林典雄先生、長谷川淳史先生)のインタビュー記事をまとめています。
 
@エクスナレッジ
http://www.xknowledge.co.jp/book/detail/XK9784767809106


iliholi(イリホリ)03 (エクスナレッジムック)

iliholi(イリホリ)03 (エクスナレッジムック)

【特集】「頭痛と腰痛」痛みの最新科学

日本人の有病率の中でも特に高い比率を占める頭痛と腰痛。
その「痛み」の原因を最先端治療をトップクラスの専門医が科学的見地から徹底解説。
「痛み」は医療・医学の原点。
そして”生きている証”第5の場至るサインでもある。

[目次]
特別インタビュー 世界チャンピオンの痛み
長谷川 穂積

第1特集:痛みを科学する
第2特集:頭痛 徹底解剖
第 3特集:腰痛 徹底解剖

特別寄稿 もう椅子はこわくない 夏樹静子
コラム:「痛み」の測定器 Pain Vision
コラム:「痛み」のドクターの見つけ方
コラム:鍼灸師の仕事 「痛み」のための痛み 竹村文近
トピックス:痛みの測定法
トピック:幻肢痛とは何か
痛みの絵画 痛みの文学

 当然のことながら、たいへん思い入れの深い仕事となりました。僕は腰痛の治療にたいへんな時間とお金を使ってきたので、この仕事で少しでも取り返せたら、と思っています。そしておそらく、腰痛は、僕のライフワークにもなるでしょう。
 ところで米本昌平氏は著書『バイオポリティクス』(中公新書、2006年)のラストで、こう述べています。

 普通の人が、ただただ面白がり、工夫をこらして調査を始めること。そのとき、本人が患者であったり近くに患者がいたりすれば、その病気に関する問題で調べものをするのに、これほど強い動機づけはない。これこそが日本社会を変えてしまう確実なパワーである。私は、そう信じている。(262頁)

 米本氏の議論の仕方には、僕はしばしばいらだたせられるのですが、この一文に関しては、まったく同意します。実際、僕は本気で腰痛について調べ始めたわけですから。『イリホリ』のこの特集はその一環でもあるのです。
 この特集では、僕の役割は主に「インタビュアー」ですので、僕自身の経験や見解についてはほとんど書いていません(林先生や長谷川先生のインタビュー記事のなかで少しだけ言及しています)ので、JCcastやこのブログなどで、今回の取材(インタビューおよび文献調査)で得て到達したことを、少しずつ述べていきたいと思っています。
 まずは『イリホリ』03号をぜひともお手にとっていただけたら幸いです。10.3.30