『第9地区』

 近くのシネコンで『第9地区』を観る。
 ほんとは日曜日のシネコンなんて混んでいるので行きたくない。映画は平日の夜、ナイト料金で観るほうが経済的だし、すいている。しかし、いつのまにか『第9地区』は、夜の時間にはかからなってしまった。だからしかたなく、本日昼間、たまっていたマイレージを使って観てきた次第。
 感想は……面白いかといわれれば、間違いなく面白い。アパルトヘイトものとファーストコンタクトものの組み合わせというアイディアは独創的だし、モビルスーツ(?)によるアクションもカッコよかった。しかし設定などで、あまりにも不明な点が多すぎる。エビのようなエイリアンたちは、恒星間旅行をできるほどの科学力を持ちながら、なぜ地球人に虐げられているのか? 実際、彼らの開発した武器はとてつもない破壊力を持ち、ナイジェリアのギャングも本作品で政府のあらゆる業務を請け負っている民間企業「MNU」もその技術を解明したがっているのだ。宇宙船を動かすために必要な、謎の液体を人間が浴びると、なぜエイリアンになってしまうのか? ヨハネスブルグ上空に浮かんだ宇宙船のなかでは、エイリアンたちが病気になって苦しんでいたはずだが、地上に住むようになったら、とりあえずは健康なように見えることも意味不明。でも、前述のMNUという民間企業が軍事活動も含むあらゆる政府の業務を請け負っているという設定は、現代を反映しているようで、悪くない(すでにリドリー・スコットが『エイリアン』で先駆的に取り入れていたアイディアだが)。
 この映画、2番館でかけられるときには、『インビクタス』との2本立てがいいんじゃないかな。10.4.25