『グリーン・ゾーン』

 朝から国士舘大学町田キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」の第6回目として、生殖技術について話す。人工授精、体外受精、代理懐胎などについて、それぞれ配偶者間のみで行われるものと第3者が介在するものがあることなどを解説。手応えは……うーん。
 休む間もなく御茶の水に移動。いつもの編集部でゲラ読みを夜半まで。
 夜、ふらふらになって地元に戻る。
 シネコンで、夜間料金で『グリーン・ゾーン』を観る。イラク戦争を描いた映画を観るのはこれで何本目だろうか。ヴェトナム戦争については、終結してしばらく経ってからいくつもの映画作品がつくられた。それに対してイラク戦争を題材とした映画は、戦争そのものが終わってもいないのにもう何十本もつくられているはずだ。
グリーン・ゾーン』は、ノンフィクションを原作にしているためか、アクションなどは控え目で、アメリカがイラク戦争で犯した罪を深く静かに切り取っている。手持ちカメラで撮影したかのような画面の揺れは、臨場感を出すための演出だろう。すでに使い古された手法だ。むしろ“ボーン・シリーズ”と同じ監督、同じ主演であるためか、ジェイソン・ボーンイラク戦争に参加しているような感じがしたことが印象に残った。マット・デイモンが演じる主人公ミラーの強さは、ボーンのそれに通じる。もちろん肉体的な強さのことではなくて、正義感を含む精神的な強さのことである。10.5.23