『イエロー・ハンカチーフ』

 東銀座の松竹試写室で『イエロー・ハンカチーフ』の試写を観る。いうまでもなく、山田洋次の『幸せの黄色いハンカチ』のリメイクである。ハリウッドもネタ切れなのか、日本映画もリメイクされるようになったようだが、もともとの原作はピート・ハミルの短編なので、逆輸出というべきかもしれない。手紙の日時やケータイが登場することから、設定舞台は現代らしいのだが、古くさいクルマで男女3人がアメリカ南部を移動するというロードムービー的物語といい、犯罪者や若者(というか世間知らずのガキ)たちを彼ら自身の立場から描く手法といい、アメリカン・ニューシネマのテイストが満ちていた。そもそも『幸せの……』が、ニューシネマの日本的解釈だったのかもしれないが。試写でなかったら、たぶん観なかったと思うが、印象はそんなに悪くなかった。10.5.25