「改定臓器移植法」施行を問う」、『いのちの選択』

 来る7月11日(日)、専修大学で、生命倫理会議が主催する「公開シンポジウム 「改定臓器移植法」施行を問う」が開催されるそうです。

公開シンポジウム:「改定臓器移植法」施行を問う  主催:生命倫理会議


  7月17日、「改定臓器移植法」が施行されます。私たち生命倫理会議は、生命倫理の教育・研究に携わる大学教員からなる組織で、国会におけるこの法改定を めぐる意見聴取・審議が行われていた昨年初夏、批判的な立場から3回の声明文発表と記者会見を行いました。
 また、本年5月、『いのちの選択―― 今、考えたい脳死・臓器移植』(岩波ブックレット)を出版し、さらに法改定と脳死・臓器移植そのものの問題性を世に問うてきました。
 しかし、い よいよ施行の時です。そこで、下記のような催事をもち、あらためて多くの皆さんと広く深く考えたいと思います。ご参加を心待ちにいたしております。


 日時:7月11日(日)13時半開場、14時〜17時
 場所:専修大学神田校舎7号館731教室
     専修大学キャンパスマップ URL

 第一部:講演
  「法施行をめぐる現在」
   川見 公子(臓器移植法を問い直す市民ネットワーク)
   永瀬 哲也(バクバクの会・脳死に近い状態と診断された子どもの父親)

 第二部:シンポジウム
  「「いのち」はどこへ向かっているのか――改定臓器移植法と 日本社会――」
  シンポジスト
   高草木 光一(生命倫理会議・慶応義塾大学)
   堀 一人(大阪府槻の木高校社会科)
   光石 忠敬(弁護士)
   山口 洋 (医師・順天堂大学〔循環器内科〕)
  司会
    田中 智彦(生命倫理会議・東京医科歯科大学
  総合司会
   慎 蒼健(生命倫理会議・東京理科大学

http://seimeirinrikaigi.blogspot.com/2010/07/blog-post.html

 また、これまで紹介するタイミングを逃してしまっていたのですが、同会議が編纂したブックレット『いのちの選択 今、考えたい脳死・臓器移植』(小松美彦ほか編、岩波書店)を献本していただきました。

いのちの選択――今、考えたい脳死・臓器移植 (岩波ブックレット 782)

いのちの選択――今、考えたい脳死・臓器移植 (岩波ブックレット 782)

 昨年成立した改定臓器移植法(いわゆるA案)の問題点と、脳死者からの臓器移植そのものの問題点がコンパクトにまとめられています。それ以上に貴重なのは、ご家族が事故で脳死になり、本人がドナーカードを持っていたので臓器提供に同意したのだけれども、いまではそのことを後悔しているという方のインタビューです。聞き手は市野川容孝先生。構成した人のクレジットはありません。僕がやりたかったと思いました。それはともかく、めったに聞くことのできない意見が表明されており、まだまだ知られていないこと、知るべきことがあるのだと痛感させられた文章です。
 1人でも多くの方に読んでもらいたい1冊です。10.7.5