『特攻野郎Aチーム』

 いわずと知れた80年代の人気テレビシリーズの映画化。ハリウッドのリメイクというビジネスモデル(?)も、リメイクするネタ元までもう尽きてしまったのか、テレビシリーズにまで手が付けられ始めた……と思ったけれども、『マイアミバイス』も映画化されていたな。
 Aチームのメンバーのキャラは80年代のオリジナルそのままだが、彼らの活躍する範囲はイラクまで広がり、アクションやCGなどの派手さは21世紀の水準にスケールアップ。
 映画を見慣れていると、途中に貼られる伏線で、オチを予測できてしまうことがしばしばあるのだが――最近の残念な例は『シャッター・アイランド』――この映画はなかなか工夫が利いていた。当初、明らかにブラックウォーターをモデルにした「ブラックフォレスト」という民間軍事企業が悪役のようにストーリーが進むのだが……。
 スティーリー・ダンの「リーンリング・ジ・イヤーズ」が効果的に使われていたのもよかった。
 ところで、「飛行機だけは勘弁な」の台詞で知られるモヒカンの黒人って、テレビシリーズでは「コング」っていうニックネームじゃなかったっけ? 映画では「B.A」になっていたけど。
 面白かった。これぐらいやってくれるなら、リメイクというビジネスモデルも悪くない。この勢いで『600万ドルの男』や『ナイトライダー』も映画化してくれ。