「“完全染色体”テストの臨床試験で……」など

 烏賀陽さんがアメリカのSLAPP事情を取材したドキュメンタリー番組の件、ある方が録画してださったものを提供してくださいました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。


 少しだけ……。

ビッグ・ファーマの最高幹部がその会社の活動について過失を問われれば、患者の安全性は保たれるだろう、とポール・タッカーは言う。

先月、FDA(食品医薬品局)は、深刻なも医療的問題を防ぐと考えられてきた薬2種類が、いくつかのケースにおいては、実際には問題を引き起こしている、と結論した。

パリ――3人の赤ちゃんが卵子の染色体すべてを網羅的に調べる技術の尾パイロット研究において誕生した。その技術は、流産のリスクを高める障害を見つけるためのものだ、と医師は言う。

〔略〕体外受精はヒト胚性幹細胞研究にとっても重要である。というのは、その細胞は、不妊クリニックに残された胚から得られるからである。同時にこの技術は、ヒツジのドリーを1996年にクローンした基礎をつくることにも役だった。この手順は、実質的に、人間で試されうる。〔略〕体外受精は社会に対して多くの前提を再検討するよう迫った。体外受精を使うことによって、今日の子どもは、その遺伝子を提供した1人の“母親”、子宮を提供した別の母親、彼または彼女を育てるまた別の母親、というように、幾人もの親を持つ。家族の構成者は、卵子精子、子宮を親戚に提供してきており、伝統的な家族関係を混乱させている。この手順はまた、同性カップルが遺伝的に関係のある子どもを持つことを可能にすることにより、同性愛者の権利をめぐる議論を引き起こしてきた。〔略〕

体外受精は多くの家族に喜びをもたらした一方で、その共同開発者へのノーベル賞は、体外受精技術によってもたらされた倫理的問題を思い起こさせる。〔略〕現在、多くの先進国では、新生児の2〜3パーセントが体外受精児である。ノーベル委員会によれば、これまで約400万人が生まれている。最初の“試験管ベビー”ルイーズ・ブラウンの誕生は、1978年である。〔略〕商業的な体外受精の32年の歴史による重要な教訓の1つは、この技術についての恐れの多く――体外受精者はフランケンシュタイン・モンスターのようにみなされる、とか、体外受精は、さらなる人口増加につながる、とか――には、ほとんど根拠がなかった、ということだ。〔略〕ラボで人間の生命をつくるという科学者たちの展望は、厄介な倫理的問題をもたらしてきた。直近の問題は、受精したのだが、使われない胚についての問題である――体外受精をした親たちの多くにとってはきわめてリアルなことだ。〔略〕アメリカでは、体外受精研究は連邦の助成金を受け取れない。このことによって実入りのいい体外受精産業が成立した。しかしこのことが意味するのは、不妊の理由についての基本的疑問の多くは、いまだに未知である、ということである。体外受精のアウトカムを向上させるかもしれないのに。

 エドワーズのノーベル賞受賞を機に、考えるべきことがあるってこと。