事件、批評、クイズ
茨城県でまた痛ましい事件が起きた。
事件の内容としては数年前のバスジャック事件や秋葉原事件などを想起する。武田さんがツイートしていたように、容疑者は、水嶋ヒロ(が小説で使った本名)と同姓、同年代。そして小説家を夢描いていたという。
高校の休憩時間には教室で1人座り、夏目漱石や太宰治の本を読んだ。小学校の卒業文集に私の宝物を「本」、趣味を「本よみ」と記し、将来の夢を「小説家」と書いていた。
http://www.sanspo.com/shakai/news/101218/sha1012180504005-n1.htm
何だかやるせない気分。
凶悪だが同時にやるせない事件について聞くたびに、僕の頭の中では、元ちとせ「あなたがここにいてほしい」が響きわたる。
そう思っていたら、元ちとせの東京公演のプレオーダー開始が月曜日の12時から始まるという情報が入ってきた。教員ラウンジのPCで予約すべきか。
元ちとせ「あなたがここにいてほしい」を聴けば、ピンク・フロイドの、同じ題名の曲も思い出す。
ところで、すべての作品(音楽、映画、本といったメディアを問わず)は、リゾーム(根茎)の一部をなし、それを形成している。そうしたリゾームを踏まえないで、いいとか悪いとか、わかったとかわからないとかいうのは、ただの感想にすぎない。それらを踏まえたうえで自分の見解を発言して初めて批評となる(ということをツイートしたら、ある同業者が何かを感じ取ったらしく、自分の書いた記事を送ってくれた。扱っているテーマは僕にはわからないが、批評としては成立していると思う)。
たとえば水嶋ヒロあるいは齋藤智浩の小説もまたリゾームを形成するものである。単体で存在しているわけでない。したがってその作品を批評するにせよ、引退騒動などを含めて現象を論じるにせよ、何かをいうためには、かなりの作業が必要になるはず。それを怠るならば、批評にはなりえない。
かなりの作業とは? 同作品を熟読することはあたり前だが、それ以外にも、彼の背景を知るためにこれまでの出演作品を観たり、インタビューを読んだり、同じようにタレントが著者となっている小説を読んで比較したり、といったところだろう。
もちろん、批評者がすでに水嶋のことをよく知っているならば省略可能であろう。それぐらいの作業を経たうえでの批評ならば、それそのものが1つの作品にもなりうる。以上、水嶋本を例に述べてみたが、どんな本や映画、音楽を論じるときも同じである。そして事件や社会現象を論じるときも。
ではクイズです(笑)。僕はいま、ある本を書評することが決まっています。僕が時間の限りしなくてはいけないことを、ヒントとして書きますので、本のタイトルをあててみてください。
著者は、著名な哲学者。たいへん不勉強なことに僕はその著作を読んだことがない。なのでベストセラーのあの本ぐらい目を通しておこうと思う。たいていの書店で、池上彰さんのコーナーの隣にその哲学者のコーナーができている。
近いテーマを扱っている本で、僕が既読なのは、ストック『それでもヒトは人体を改造する』、シルヴァー『複製されるヒト』、『人類最後のタブー』、大統領生命倫理委員会『治療を超えて』など。持っているけど未読(恥)なのは、上田昌文ほか『エンハンスメント論争』など。
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以上、twitterでのツイートをもとにまとめてみました。今度もいろいろと試してみます。