「出版とメディアと震災」
昨夜、「出版研究集会」の分科会「出版とメディアと震災」にパネリストとして参加しました。僕以外のパネリストや山本紀子氏(毎日新聞生活報道部)、渡部真氏(フリーランス編集者、ライター)。会場で配付した資料(レジュメのようなもの、というか単なる殴り書き)を以下に示します。持ち時間は15分。これとは別に「読み上げ原稿(のようなもの、これまた殴り書き)」を用意したのですが、裏紙に印字してしまってほとんど読めないことに現場で気づきました(苦笑)。
- 自己紹介:「科学ジャーナリスト」と呼ばれることもあるが…
- 自然科学の公式な高等教育を受けたことはない。形式的には社会科学の学位を所有
- 地震・津波・原発には詳しくない
- というか、主として人間関係上の理由で、環境・食品問題から離脱
- しかしながら10年程前に『別冊宝島 これから起こる原発事故』に参加、最近では『がん放射線療法2010』を編集。
- 詳しくない、という自覚はあるが、それは無知・無責任の理由にはならない
- 恥ずかしながら震災後2カ月以上経ってから、やっと被災地へ
- 恥ずかしながら原発事故に(過剰?)反応、10年間原発に目を向けてこなかったことを後悔、ネット(含むtwitter)で情報収集・発信、自分の意見は最低限に
- その過程で、“原発容認”に近づく?
- 最も“安全な/危険な”電力生産方法は? (歴史上最も悲惨な“プラント事故”は?)
- 最も“安価な/高価な”電力生産方法は?
- 同時に、twitterやML、会合における出版ネッツのメンバーの発言(の一部)に
- 「粥川準二(Junji Kayukawa)(仮名)」って誰?
- Google Scholar、NDL-OPAC(科学者、研究者、技術者であることを匂わせているのならば…)
- ソース(情報源)が明記してある情報は、とりあえず、明記していない情報よりは信用できる
- ソースが一次資料であるか、二次資料であるかによって情報の信頼度は異なる
- しかし前者は非専門家には解読困難なことがしばしば
- 疑わしきは信じず(もしくは要確認。確認できなったら信じない)
- 「危険厨/安全厨」「デマゴーグ/御用学者」(「デマゴーグ/御用学者」を信じるな、ではなく、他者を「デマゴーグ/御用学者」と安易に非難する者は信用しないほうが…
- 「ソースは?」と問うことが基本中の基本。デマ批判にも「ソースは?」。
- 提案:新書など非専門家向けの本にも、学術書に準じたソース明記の原則を
- 3.11で、何人、誰が、どのように死んだのか?
- 「環境的公正」「健康格差/健康の社会決定要因」「社会的脆弱性」
- 見当識:自分は誰か? 女性か? 高齢者か? 障害者か? 東北在住者か? 福島第一原発の作業員か?
- 「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」(寺田寅彦「小爆発二件」)
- 人間にとって最大の恐怖は、恐怖そのものである
- 出版人というプロフェッションに自覚を
ご来場されたみなさま、ありがとうございます。関係者のみなさま、お疲れさまでした。