『世界侵略:ロサンゼルス決戦』

近所のシネコンで『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を観る。ほんとは3月ぐらいに公開されるはずだったが、東日本大震災の影響で公開延期されていた作品だ。
世界各地の沿岸部の都市に謎の飛行物体が落ちてきて、そこから出てきたエイリアンらしき何ものかが人類に対して猛攻撃をかけてきた。それに海兵隊たちが戦いを挑む。
主人公たちに課された任務は、都市部に取り残された民間人を救出すること。3時間後、そこは敵を焼き払うために空爆されることになっている。しかし敵の正体がいまいちわからない。民間人を救い、必死に脱出を試みる主人公たち。その過程で徐々に敵の正体がわかってくる。たとえば倒れた敵を捕まえ、その急所をどこかを探り見つける。無人機が電波を関知して攻撃することを知り、その裏をかいてそれを引きつけ、爆弾でガソリンスタンドを爆破して、その爆風で無人機を倒す。もちろんその過程で、1人また1人の仲間が死んでいく。敵の無人機の指令本部らしき場所を見つけ、味方のミサイルを誘導して、それを破壊することに成功する。こうして敵の弱点を見つけ、人類は反撃に転じるところで映画は終わる。
最初、敵の正体がわからず、住民が逃げ惑ったりする様子は、確かに災害を想起させないこともなく、それで日本での公開が延期になったのだろう。
また敵は宇宙からの侵略者でありながら、その実力はいまいちのような気がした。大きさは地球人よりやや大きく、撃ってもなかなか死なないという設定の割には、海兵隊は、自分たちより多い彼らをバンバン撃ち殺す。彼らが厳しい訓練とイラク戦争などの実践を経験したにせよ、宇宙からやってきた未知の相手との戦闘(つまり経験値は浅いはず)だと考えると、やや不自然である。
そういえば、予告編では、1940年代ぐらいから世界各地で目撃されたUFOと侵略者たちが関係することが示唆されていたはずだが、本編ではそのことはまったく語られなかった。また、もう少し早く公開されてもよかったのではなかろうか。確かに人が大勢死ぬ様子などは判断が難しいかもしれないが、基本的には人々に希望を与える作品である。日本では、東北決戦はいまだに続いているのだ。