イエス来日公演@渋谷公会堂

夜、渋谷公会堂で、イエスの来日公演を、斉藤勝司さんといっしょに観てきた。イエスといっても周知の通り、最新のアルバム『フライ・フロム・ヒア』のボーカルは、ジョン・アンダーソンではなく、ベノワ・デビッド。というわけで、同アルバム自体、あまりイエスのアルバムに聞こえないこと自体問題なのだが(笑)、ライブでは、同アルバムからの選曲以外の曲はコピーバンドみたいになるだろうな、と思っていた。

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だが、なんとそのベノワ・デビッドが急病、来日公演はジョン・デイヴィッドソンという男性ボーカリストが代役を務めた。というわけで来日メンバーは、スティーヴ・ハウ(g)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)、ジェフ・ダウンズ(key)、ジョン・デイヴィソン(vo)、ということに。新アルバムの曲を含めて、コピーバンドみたいになるかなと予想しつつも、とにかく観てみた次第。
僕はライブではいつも、1曲目が何かを楽しみしている。イエスのオープニングといったら「シベリアン・カートゥル」だろう、しかし今回はジョン・アンダーソン抜きなので、新譜の表題曲かな、と思っていたら、「ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイズ」だった。そのほかに予想してこととして、新譜のプロデューサーはトレバー・ホーン、キーボードはジェフ・ダウンズということから、「ドラマ」からの選曲も1曲ぐらいあるだろう、と思っていたが、2曲目に「テンパス・フュジット(光陰矢のごとし)」が演奏された(「マシン・メシア」じゃなかった)。イエスの歴史ではほとんどなかったことにされている「ドラマ」の収録曲を、1曲でも聴けただけでも収穫だったかもしれない。なおセットリストはこの通り http://t.co/cisvnTLZ (最近はセットリストもすぐにアップされるようになりましたね)。『危機』からの選曲が「同志」というのはちょっと意外。新譜からは表題曲とスティーブ・ハウのソロ曲だけ。といっても前者は、6曲からなる組曲だが。イエスのライブではおなじみのスティーヴ・ハウのソロ・コーナーでは、新譜収録の「Solitaire」含めて2曲が演奏された。2曲目は知らない曲だったが、セットリストによると「Second Initinal」という曲で、YouTubeではずいぶん若い頃の演奏がアップされているところをみると、古い曲のようだ。「ロンリー・ハート」が演奏されたのはちょっと意外。ヒット曲だからか? トレバー・ホーンへの敬意? この曲はトレバー・ラビンのイメージが強く、スティーヴ・ハウが演奏するのは似合わないと思う。なおどの曲でも、キーボードの音がエイジアっぽかったのはご愛敬ということで。
ボーカルがジョン・アンダーソンじゃなかった分、全体的にクリス・スクワイアとスティーヴ・ハウが健闘していたと思う。