試験

 朝から国士舘大学町田キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」の期末試験。もう8月なのに(苦笑)。
 いつもの校舎に行く途中、男子学生から会釈をされる。昨年の受講生で、何度か質問、というか本人にとっては切実らしいことを相談に近いかたちで話にきたことがある学生さんだった。僕の科目は選択科目ということもあるのだろう、本気で聞いてくれる学生は、きわめて少ない。残念ながら。しかしながら毎年何人か、彼のように敏感に反応してくれる学生さんがいるので、手は抜けない。手は抜けないのだが、今年は「分母」(受講生の絶対数)が少ないからなあ。全滅の予感(苦笑)。
 ということで、今回は受講生が少ないので、補助監督も頼まずに1人で実施。不正行為はなかった……と思う。

オリコン訴訟

 所用のためガッコ(明治学院大学)に寄り、図書館で時間調整してから、霞ヶ関に移動。弁護士会館で、オリコン訴訟の説明会に参加。
 周知の通り、裁判は「和解」となり、烏賀陽さんは事実上、勝利した。
 
オリコン損賠訴訟:和解が成立 「編集不正確」、サイゾー謝罪
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090804ddm041040046000c.html
オリコンが請求放棄、和解 コメント巡る名誉棄損訴訟
http://www.asahi.com/national/update/0803/TKY200908030276.html
コメント名誉棄損訴訟が和解 オリコンとフリージャーナリスト
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090803/trl0908031834036-n1.htm
オリコン批判記事で和解 訴訟参加の雑誌社が謝罪
http://www.daily.co.jp/society/national/2009/08/03/0002194514.shtml
オリコンチャート」記事めぐる訴訟、オリコンが請求放棄で和解
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/03/news075.html
オリコン訴訟、和解成立 サイゾーが謝罪
http://www.j-cast.com/2009/08/04046722.html


 2審の1審との大きな違いは、インフォバーンから独立した「サイゾー」が「利害関係者」として裁判に参加したこと。サイゾー烏賀陽さんとオリコンの双方に謝罪することになり、オリコンは「本訴請求を放棄」、それに応じて烏賀陽さんも「反訴請求を放棄」した。
「請求を放棄」というのはわかりにくいが……「提訴取り下げ」とはまったく違うことらしい。配付された資料で、烏賀陽さんはこう述べている。

「請求放棄」とは、判決を待たずに原告が「敗訴」を宣言することです。「提訴の取り下げ」とは法的意味がまったく違うのでご注意ください。(『提訴の取り下げ』は『訴訟はなかったことにする』と原告と被告が合意することで、勝ち負けはありません。)

 コピーが配付された『ジュリスト増刊 民事訴訟法の争点』(有斐閣)という解説書でも、「請求の放棄」は、「被告全面訴訟」というかたちで訴訟が終了することだと解説されている。つまり学説的にも、烏賀陽さんは勝利したといえる。
 いずれ詳細な資料が、ご本人のウェブサイト「UGAYA Journal」で公開されるだろう。
 何はともあれ、よかった、よかった……。
 しかしながら、オリコン訴訟の背景には、そのきっかけとなった記事について考えればわかる通り、日本だけでなく世界中のジャーナリズムおよび出版業界を蝕んでいる不況、それにともなう経費削減、人員削減の大波があるのは明らか。他人事ではない。その意味でも、この訴訟の意味は重要だと思うのだが……。
 

グーグル和解案

 僕は出席できるかどうかわからないのですが、8月7日にグーグル和解案についての勉強会があるそうです。以下、情報を転載しておきます。09.8.4
 

「著作者はグーグル訴訟とどう対峙していくべきか」
ー和解か、離脱か ?ー


 アメリカで著作者・出版社の許可なく行われているグーグルの
ブック検索は、日本では明らかな著作権法違反にあたる。
 しかし、アメリカで作家組合と出版社協会がおこした集団訴訟
では和解が成立する状況にあり、ベルヌ条約に加盟している日
本も影響されることとなる。
 著作権者には、出版社から「お知らせ」という書類が届いたと
思われるが、それにはグーグル訴訟の和解案に「拒否」を表明
しなければ、和解案に「参加」する事となる、と記されており、混
乱している人たちも多いことだろう。
 和解しなければ、和解金がもらえない、和解に拒否しても自
分の著作物が絶対に掲載されないとは限らない、という。拒否
をするべきでない、という意見もあるが、著作権を踏みにじられ
てから、和解を強要されて、それにのっていいのだろうか ?
 また、今はアメリカ国内の和解であるが、今後、日本でも同じ
事が起こらないとも限らない。そもそも、アメリカ国内、とはいえ、
インターネットで検索できるものが、国内だけで済む問題と言え
るのだろうか。
 不明な点ばかりあるグーグル訴訟のなかで、著作者は表明
期限の9月4日までに自らの著作物をどう守るかの情報を得る
必要がある。

 出版ネッツは、著作権者も含むフリーランス労働組合として、
今現在、この件について最も精通している出版流通対策協議
会会長の高須次郎氏を招いて講演して頂き、著作権者がこの
問題にどう対峙していくかを検討していく。


・講師 高須次郎氏(出版流通対策協議会会長)


・8月7日(金)18時30分〜 出版労連会 議室
(本郷三丁目徒歩5分・
出版労連内 文京区本郷4-37-18いろは本郷ビル2F)
・参加費500円(ネッツ組合員無料)

主催 出版労連出版ネッツ関東支部
E-mail/nets@jca.apc.org    http://www.jca.apc.org/NETS/
Tel&Fax/03(3816)2973  〒113-0033 文京区本郷4-37-18いろは本郷ビル 2F