オリコン訴訟

 所用のためガッコ(明治学院大学)に寄り、図書館で時間調整してから、霞ヶ関に移動。弁護士会館で、オリコン訴訟の説明会に参加。
 周知の通り、裁判は「和解」となり、烏賀陽さんは事実上、勝利した。
 
オリコン損賠訴訟:和解が成立 「編集不正確」、サイゾー謝罪
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090804ddm041040046000c.html
オリコンが請求放棄、和解 コメント巡る名誉棄損訴訟
http://www.asahi.com/national/update/0803/TKY200908030276.html
コメント名誉棄損訴訟が和解 オリコンとフリージャーナリスト
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090803/trl0908031834036-n1.htm
オリコン批判記事で和解 訴訟参加の雑誌社が謝罪
http://www.daily.co.jp/society/national/2009/08/03/0002194514.shtml
オリコンチャート」記事めぐる訴訟、オリコンが請求放棄で和解
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/03/news075.html
オリコン訴訟、和解成立 サイゾーが謝罪
http://www.j-cast.com/2009/08/04046722.html


 2審の1審との大きな違いは、インフォバーンから独立した「サイゾー」が「利害関係者」として裁判に参加したこと。サイゾー烏賀陽さんとオリコンの双方に謝罪することになり、オリコンは「本訴請求を放棄」、それに応じて烏賀陽さんも「反訴請求を放棄」した。
「請求を放棄」というのはわかりにくいが……「提訴取り下げ」とはまったく違うことらしい。配付された資料で、烏賀陽さんはこう述べている。

「請求放棄」とは、判決を待たずに原告が「敗訴」を宣言することです。「提訴の取り下げ」とは法的意味がまったく違うのでご注意ください。(『提訴の取り下げ』は『訴訟はなかったことにする』と原告と被告が合意することで、勝ち負けはありません。)

 コピーが配付された『ジュリスト増刊 民事訴訟法の争点』(有斐閣)という解説書でも、「請求の放棄」は、「被告全面訴訟」というかたちで訴訟が終了することだと解説されている。つまり学説的にも、烏賀陽さんは勝利したといえる。
 いずれ詳細な資料が、ご本人のウェブサイト「UGAYA Journal」で公開されるだろう。
 何はともあれ、よかった、よかった……。
 しかしながら、オリコン訴訟の背景には、そのきっかけとなった記事について考えればわかる通り、日本だけでなく世界中のジャーナリズムおよび出版業界を蝕んでいる不況、それにともなう経費削減、人員削減の大波があるのは明らか。他人事ではない。その意味でも、この訴訟の意味は重要だと思うのだが……。