ローザンヌ、新橋、秋葉原

 午後、新橋へ。松下電工汐留ミュージアムで開催されている「アール・ブリュット/交差する魂」を観る(同伴者あり)。奇しくも同じ週にアール・ブリュットを2カ所連続して観ることになったのだが、それだけ浸透してきたのだろう、きっと。
 この展示は、アール・ブリュットアウトサイダー・アートの聖地ともいわれる「ローザンヌ アール・ブリュット・コレクション」の収蔵作品の一部と、現代日本の同分野の作品群を同時に観せる企画で、東京以外の場所も巡回するらしい。点数は少ないながらも力作が揃っていた。秀逸。
 僕は大学生のとき、ほんの偶然、ローザンヌの同コレクションに立ち寄ってから、ずっとこの分野に興味を持ち続けている。2年前のヨーロッパ出張で十数年ぶりに再訪。一部の作品は、そのときからの再会となった。
 今回の展示では、ヴィレム・ファン・ヘンクや辻勇二の作品がとくに印象に残った。どちらも街を描いたもので、もしかすると日本のアニメやマンガに通じる作風かもしれない。
 図録(というか、単行本。はたよしこ編著『アウトサイダー・アートの世界』、紀伊國屋書店、2008年)も充実していたので、もちろん購入。物販コーナーで知ったのだが、なんと本家本元のアール・ブリュット・コレクションでは日本の特集が組まれているらしく、その図録も売っていた。手が出なかったが(苦笑)。
 近くのカフェ(風フードコート?)で、同伴者と談笑。
 帰りに、ふと思いついて秋葉原で途中下車した。これまでも何度か乗り換えで通り過ぎてきたのだが、降りたのは事件以来初めて。足は自然と現場へ。少し遅いような気もしたが、こみ上げてくるものを抑えながら合掌。(ブログの写真は、2年前にアール・ブリュット・コレクションを訪ねたときのもの。撮影は現地で知り合ったR君。ミクシィの写真は、今回の展示で入手した資料と秋葉原の献花台。)08.7.18