中国からの噂
「レコードチャイナ」という中国発のニュースを専門的に扱い、ポータルサイトなどへ配信しているメディアがある。ときどき、僕の守備範囲についても、非常に興味深いニュースを配信する。
2008年9月1日、マレーシアの華語紙「星洲日報」によると、広東省掲陽市の警察当局が、人を殺害して得た遺体を売っていたグループを検挙、容疑者9人の身柄を拘束した。/2007年以降、殺害された被害者は400人以上にのぼると見られており、その多くは知的障害者、精神病患者や老人で、遺体は広東省東部に位置する潮汕地区などの、家族が亡くなった家庭や葬儀場に販売されていた。現在、当局は人が亡くなったとき遺体を火葬するよう勧めているが、旧来のように土葬を希望する人は依然として多く、亡くなった家族の代わりに火葬する目的で遺体が購入されていた。〔後略〕
見出しを見たときには、目的は臓器売買かなと思ったのだが、この件については、そうではないらしい。
一方、こんな噂も流れている。
子供の死体から臓器摘出!?市民に広がる「組織犯罪」の噂―貴州省安順市
2008年9月4日、貴州省のニュースサイト「金黔在線」は8月18日に同省安順市で発生した男児の死体遺棄事件で、市民の間に広がる噂を公安局が否定したと報じた。/8月18日早朝、安順市南華路にある家電店の入り口付近に医療用の青いシーツにくるまれた小さな死体が放置されているのが、通行人によって発見された。死体は男児で推定年齢8〜10歳。左頚部と腹部に切開と縫合の跡が見られたため、目撃した市民からは「この子供は内臓を取り出されたのでは?」との声が。〔後略〕
これまでも南米や東欧などで似たような噂が流れたことがある。
僕は北京オリンピックの期間中、オリンピックは観ず、城山英巳『中国臓器市場』(新潮社)を読んでいたのだが、同書を読み、上記のような記事を読むと、「火のないところに煙は立たないのでは?」と思わざるを得ない。
なおこれらの件については、『週刊金曜日』のスタッフが書いている「『人体の不思議展』の不思議」というブログが、元ネタらしき記事をリンクしている。
アメリカでは、葬儀会社が遺族に無断で死体から臓器などを取りだし、転売していることが次々と明らかにされている。アメリカの件についてはまた別に紹介したいが、とりあえずその背景を知るには、アニー・チェイニーの『死体闇取引』(早川書房)を参照のこと。08.9.8
- 作者: 城山英巳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 作者: アニーチェイニー,Annie Cheney,中谷和男
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (12件) を見る