講義開始、アダプター、オリコン訴訟

●7日(火)
 朝、起床すると、疼痛がそれなりにひいていた。というわけで、電車を乗り継いでガッコへ。ガッコといっても、国士舘大学鶴川キャンパスである。「生命科学と21世紀社会」第1回。まずイントロダクションとして、自己紹介をし、講義を受ける心構え(笑)などを話してから、「人体の資源化」とは何か、ということをおおざっぱに話す。使った素材は、松原洋子「先端医療技術と人間観 患者の生命力肯定が原点」(『朝日新聞』2006年3月15日付夕刊頁不詳。お世話になっています!>松原さま)、「iPS細胞 山中教授に聞く 病気解明ゴール目指す」(『中日新聞』2008年5月17日付20面)。
 ほんとうはiPS細胞についての動画を見せようとしたのだが……できなかった。実は僕、この夏に5年間も使ってボロボロになったiBookを引退させ、MacBookを購入したのだが、iBookをプロジェクターにつないでいたアダプターが、PC側の形状が異なり、MacBookでは使えなかったのだ! しょうがないので、話だけでのり切ろうとし、間が持たなかったらどうしようと思っていたのだが、iPS細胞の概略的な説明だけで時間は終わってしまった。
 ところで、「人体の資源化」というスローガン(?)はもう無効なのだろうか。
 なお講義中、疼痛はいっさい感じなかった。準備中にはあれほど苦しんだのに。痛みという現象が、いかに心理的なものであるか、よくわかる。
 何はともあれ、iPS細胞について説明したので、あとはなんとかなるだろう。
 終了後、途中で昼食をとりつつ、電車を乗り継いでもう1つのガッコ(明学)へ。図書館で時間を調整しつつ、夕方に所用、夜半に帰室。
 就寝時、猛烈な悪寒を感じる。押し入れから毛布を出して布団に追加した。眠りも浅く、何度も目が覚めた。やばい。風邪か。
●8日(水)
 ……と思ったのだが、朝になるとよくなっていた(やや寝覚めが悪かったが)。というわけで、午前中からガッコへ。2限の「社会学基礎演習」に出席、フロイト「自我とエス」の残りの部分と、レヴィ=ストロース『野生の思考』(みすず書房)第1章を読む。フーコーの『言葉と物』(新潮社)の第5章あたりと比較すると面白そうなのだが、いまのところ文字面を追うのがやっと(苦笑)。
 終了後、秋葉原へ移動。ソフマップで、MacBookをプロジェクターにつなぐためのアダプターを買う。約2500円の出費。iBookには、付属していたんじゃなかったかなあ。
 同じソフマップの別のフロアで、以前からほしかったあるものの中古が、結構安く出ているのを見つけてしまう。買うべきか……アキバは誘惑が多くてイカンなあ。
 ブックオフで数冊購入してから帰室。
          ※
 烏賀陽弘道さんがオリコン訴訟についての重要文書を、ご自身のサイトにアップしました。
 
■オリコン裁判インデックス■
 
 いずれも興味深く拝読し、どれも重要なのですが、とくに江川氏の意見書とネッツの意見書が印象的でした。
 いわゆるコメント取材については、僕もいろいろと経験があります。するほうも、されるほうも。ここでは後者について。
 数年前、ある案件の法規制について、地方紙の記者にコメントを求められまし た。僕は彼と面会し、法律がある場合とない場合、それぞれについてメリットと デメリットを説明し、僕自身は、法律が必要かどうか「わからない」と話しまし た。彼は、原稿をチェックしてくれ、と言うので、それを読んだところ、仰天しました。僕が持論として「法律が必要だ」と述べていることになっていたからです。僕は、そんなことひとことも言っていない、と伝えました。最終的にどんな 記事になったか……忘れました(苦笑)。
 こんなこともありました。知人のライターが電話をかけてきて……ま、いいか、このことは。不愉快な経験でしたが、実害がなかった(と思います)のが幸いです。
 オリコン訴訟に関連して、ライブドアのニュースでは、「パブリックジャーナリスト」によるこんな記事が……。


週刊現代の裁判に損害賠償6億円は異常


 正直にいえば、いわゆる「市民記者」、「パブリックジャーナリスト」の書く記事には、事実誤認、誤植、文章力や論理構成力の稚拙さが目立ちます。

 同じく、月刊誌「サイゾー」はオリコンのチャートの信頼性についての記事内容に関して、インタビューを受けた烏賀陽弘道氏のみに5000万円の損害賠償を求め提訴。オリコンは抑止力を発揮させるためであるとしている。

「「サイゾー」は……提訴」したなんて、そんな事実ありません。提訴したのはオリコンです。記者は善意で書いているのでしょうけど。
 コメント経験も、この記事も、他山の石としたいと思います。
 11月11日(火)に2審の第2回口頭弁論があるのですが、僕は非常勤講師の仕事があるため、行けません。鶴川から応援しています。午前11時、東京高裁8階の820号法廷です。傍聴券が出るそうです。08.10.8

自我論集 (ちくま学芸文庫)

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野生の思考

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言葉と物―人文科学の考古学

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