『メディカルバイオ』11月号!

 本日、オーム社の各月刊誌『メディカルバイオ』11月号が届きました。今号もiPS細胞情報が満載です(笑)。
 さて僕はこの雑誌のなかではあいかわらず浮いているのですが(笑)、空気を読まずに続けている連載コラム「海外ヘッドラインdeライフサイエンス」では「いまなお倫理問題に揺れる、アメリカの幹細胞研究」(100頁)を書き、「BOOK SHELF」ではトーマス・ホイスラー著『ファージ療法とは何か』(長野敬ほか訳、青土社)を書評しています(109頁)。
 前者ではJCcastでも紹介した、アメリカで発覚した、ES細胞研究の倫理問題を取り上げています。しかし、僕にこういうことを書かせてくれる媒体ってほかにないのかな(この雑誌でも、なんとなく肩身が狭いし(苦笑))。


第20回 トピックス二題


 後者の対象本はたいへん興味深いものです。「ファージ療法」というのはあまり聞き慣れないのですが、グルジアで始まったものとか。ちょうどこの本を読んでいたとき、グルジア紛争の真っ最中で、不思議な偶然を感じたものでした。紙数の関係で省略してしまった部分を再現しておきます。

なお巻末には、通常の索引とは別に、2つの「付録」が付いている。これがとても素晴らしい。1つは本書に登場する「細菌一覧表」であり、もう1つは「ファージ療法の有利な点と不利な点」のリストである。それぞれに簡便な解説と、本書で記述されているページ数が書かれている(しかも訳者が補足している)。この耳新しい治療法について冷静に考えるために有益であるだけでなく、今後の科学書、医療書の見本となる試みではなかろうか。

 ご参考までに。大型書店またはネット書店でお買い求めください。(追記:書評ページはCoSTEPの難波美帆さんとのコンビでお送りしています!)08.10.25

Medical Bio (メディカルバイオ) 2008年 11月号 [雑誌]

Medical Bio (メディカルバイオ) 2008年 11月号 [雑誌]

ファージ療法とは何か―細菌感染症の新たな脅威に立ち向かう

ファージ療法とは何か―細菌感染症の新たな脅威に立ち向かう