近況(フツーの社会であれ)

●26日(日)
 午後、三田の慶応大学へ。社会思想学会の「「人間」概要の変容と生命倫理」というセッションで発表。学会での発表は生まれて2度目。「〈万能〉細胞の誕生?」という題目で、『現代思想』7月号に書いたことをベースにし、最近の話題をいくつかプラスして話す。まず沢山美果子氏が近世日本の捨て子や間引き、堕胎について話し、次に僕が話し、土屋敦さんがコメントし、沢山氏と僕がそれに対して応答する、という手順。もう少し打ち合わせしておけばよかったかな。
 終了後、急ぎ足で日比谷に移動。東京国際フォーラムで、シガー・ロスの東京公演を聴く。YouTubeに動画が上がっているアイスランドでの公演では、たくさんのサポートメンバーといっしょに演奏していたが、東京では4人のみ。もちろん、ビョークが飛び入り、なんてこともなかった(当たり前か)。雰囲気としては、2枚組みのライブ盤「HVARF-HEIM(消えた都)」に近い感じ。全員が複数の楽器を操り、原曲をCDとはひと味変えて再現する手さばきは鮮やか。周知の通り、シガー・ロスは最新アルバム「Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust(残響)」でずいぶん変容し、アップテンポでライトな曲も演奏するようになったが、旧譜からのノイジーな曲もほどよいバランスで選ばれていた。あと、やはり東京国際フォーラムという場所はいい。このところ、武道館とかさいたまスーパーアリーナとか、音質は二の次(苦笑)みたいな場所でのライブばかり観ていたので、良質な音響空間のありがたさが身にしみる。とくにオルガンの音が素晴らしかった……。
 終了後、いっしょに聴いた知人とドイツ料理。ほんとはアイスランド料理がよかったのだが、同じヨーロッパということで(笑)。ひさしぶりに近況を報告し合う。
●27日(月)
 よく覚えていないが、書類づくりや講義の準備に追われていたと思う。
●28日(火)
 午前中、国士舘大学鶴川キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」第4講。やっとのことで学生さんたちに動画を観せることができる。ファン・ウソク事件からiPS細胞までいっきに復習。
 終了後、明学へ移動。共同研究室でうだうだと時間を調整し、夕方に所用。夜半に帰室。
●29日(水)
 午前中からガッコ(明学)へ。「社会学基礎演習」でレヴィ=ストロース『野生の思考』(みすず書房)第7章を読む。
 午後、研究発表(修論の中間報告)会に少しだけ顔を出してから、虎ノ門へ移動。所用の後、次の予定までわずかに時間があることに気づき、神保町へ。「神田古本まつり」を見て回る。たいていの店でそれなりの値段が付いている古典を超激安でゲット。
 夕方、大久保へ。いつものルノアールJCcastの収録に参加。僕は「ビスフェノールA」(って、みなさん覚えています?)について話し、山下君はアメリカ大統領選挙における科学政策の議論について話し、赤木君は「こんにゃくゼリー」について話す。
 終了後には韓国料理。ある様子を見て、自分が時代遅れの人間になりつつあることを再確認。
 帰室すると、あるメールが届いていて、その対応に追われる。
●30日(木)
 昼過ぎにまたもやガッコへ。ある書類を事務室に提出。ようやくひと段落か……。
 東中野に移動し、ポレポレ東中野で、土屋トカチ監督の話題作『フツーの仕事がしたい』を観る。上映期間中に観れてよかった。監督はいなかったので、名刺を受け付けの人に渡して帰室。はたして日本社会はフツーになるのだろうか、麻生新政権で……アメリカがオバマ新政権でフツーになれば、日本にもその影響があるかも。希望的観測。夕方に帰室。

●31日(金)
 午前中、電車でふた駅のところにあるクリニックへ。いつものようにリハビリ。こうして週1回のペースでリハビリに通ってはいるものの、3週間連続で、痛みは低レベルですんでいる。痛み止めも湿布もほとんど使っていない。もちろん油断は大敵であろうが。
 明日はファーストデイ。都内に出てミニシアターをはしごするのが、いちばん経済的であるのはわかっているが、そんな気力がわくかどうか。08.10.31

現代思想2008年7月号 特集=万能細胞 人は再生できるか

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Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

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Hvarf / Heim (Dig)

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