エストニアのアニメーション

 エストニアという国については、旧ソ連バルト三国の1つであることくらいしか、僕は知らない。僕の無知はともかくとして、エストニアは、実はアニメ作品が盛んにつくられている国らしい。アニメといえば、質的にも量的にも、どう考えても日本が世界一だろうと僕などは思うのだが、ラピュタ阿佐ヶ谷という劇場で開催予定の「第9回ラピュタアニメーションフェスティバル2009」では、エストニアのアニメ作品が一挙に公開されるらしい。
 
第9回ラピュタアニメーションフェスティバル2009
http://www.laputa-jp.com/laf/top.html
 
 ということで本日午後、京橋の映画美学校で、その一部の試写を観てきた。上映されたのは、プリート・パルン、オルガ・パルン作『ガブリエラ・フェッリのいない生活』ほか数編。「奇妙で暗喩に満ち、皮肉と不条理のエッセンスを兼ね備えた……」というプレスキットの紹介文の通り、どう解釈したらいいのかとまどうほど抽象的な作品群だった。というか、解釈の「正解」などおそらくないのだろうが。初めてカフカマルケスの作品に触れたときの印象に近い。個人的には嫌いではないが、日本の観客に受け入れられるかどうか、とよけいな心配をしてしまったのだが、プレスキットによると、こうした作品の制作予算は国から得られ、そのためエストニアの作家たちは「商売になる、ならないなど考える必要はない」とのこと。なるほどね。ちょっとうらやましい。