イェルサレムのムカラミ

 毎年恒例の憂鬱な作業、終了。はあ。
 村上春樹エルサレム賞の授賞式でスピーチし、「壁」と「卵」にたとえて、イスラエルを批判したとか。「イスラエルを批判」と書いてしまいましたが、これは聞き手、読み手の解釈次第かもしれません。


エルサレム賞村上春樹さん「ここに来ること選んだ」
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090216-OYT1T00333.htm?from=navr
村上春樹さん:ガザ攻撃を批判 イスラエル文学賞受賞演説で
http://mainichi.jp/enta/art/news/20090216dde001040031000c.html
村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判
http://www.asahi.com/culture/update/0216/TKY200902160022.html


 もちろん各紙伝えていますが、スピーチそのものを日本語で比較的要領よくまとめているのは、これでしょうか。


村上春樹さんの講演要旨
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009021601000180_Detail.html


 僕は、春樹がこのようなスピーチをすることを「期待」していたのですが、「予想」はしていませんでした。ところが、予想をはるかに越え、期待通りに……。受賞拒否をしなかったことを批判する人もいるかもしれませんが、僕としてはこれまで通り、次作を楽しみに待つことにします。
 しかし……ブロガーたちは激しく反応していますね。あちこちで炎上が起きているようです。
 つまりそれだけ、春樹が「国民的作家」であることが、非ファンからさえも認められているということでしょう。(「国民的」どころか「世界的」でしょうか。)どの国にも、どの時代にも、その発言の政治性がつねに注目される文化人はいます。その「春樹」と、このタイミングでの「エルサレム賞」という組み合わせが、化学反応を起こしたのでしょう、きっと。つまり、受賞者+時期+授賞する側の国。この組み合わせでは、過剰な化学反応が起きるのも必然ですね。
 それを冷めた目で眺める人がいることも、わからないでもないです。09.2.16