幹細胞、指針その2
これまた遅いご紹介なのですが、5月20日、文部科学省がES細胞の研究指針を一部改定して手続きを簡略化する方針を固めたとのことです。
ES細胞:使用時の手続き簡略化…文科省専門委
http://mainichi.jp/select/science/news/20090521k0000m040043000c.html
「専門委員会」というのは……「科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会特定胚及びヒトES細胞等研究専門委員会(第68回)」のことのようですね。「ES指針の改正の方向性について」という配付資料によれば、
二重審査の見直し
http://www.lifescience.mext.go.jp/download/rinri/es68/es68-05.pdf
・ 平成13年9月のES指針策定以降、これまでに約60件の使用計画
等が実施されるなど、相当の実績が蓄積され、その結果、ヒトES細
胞に関する生命倫理上の位置づけや取扱いのあり方についての認識が
深まってきたものと考えられる。
・ 現在は、ヒトES細胞の使用計画(既に大臣確認を受けた計画の変更
を含む。)について、ヒトES細胞の樹立と同様、機関内倫理審査委員
会及び国の審査(二重審査)を求めているが、「基本的考え方」のとお
り、使用計画自体は、樹立機関で樹立されたヒトES細胞の分配を受
けて、それを研究に役立てるものであり、ヒト胚の滅失も伴わないこ
とから、見直しを行うこととする。
・ 具体的には、使用計画について、大臣確認を求めず、国への手続は届
出(倫理審査委員会(IRB)の審査のみ)とする。
ということです。
手続き簡略化といっても、国への届け出はなされるようだし、「作成(樹立)」についてはこれまで通り二重審査を継続するそうです。
日本では、ES細胞の分化誘導研究などの成果を早々にiPS細胞に応用し、臨床研究はES細胞ではなくiPS細胞から始まるのかもしれません……と言いたいところですが、僕の予想はよく外れますので、あてにしないでくださいね(笑)。09.6.12
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