『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』など

 午前中から国士舘大学町田キャンパスへ。先週は、もともと僕の都合で休講のつもりだったのだが、新型インフルエンザの発症者が出たらしく、町田キャンパス全体が休講になったのは前述の通り。補講について事務の人に尋ねてみると、微妙なお答えが返ってきた。そのやりとり自体をなかったことにしよう(汗)。講義は、再びファン・ウソク事件について。来週はiPS細胞に戻る予定。
 神保町に移動。古瀬戸で編集者と打ち合わせ。
 終了後、小宮山と田村のエサ箱を少しだけのぞいて、銀座に移動。ブックファーストで時間調整をしてから東劇へ。途中、道路を挟んで歌舞伎座をスケッチしている人が2人もいるのを目撃。2人とも初老の男性で、そのうち1人の脇には、歩道を行く人から見えるように「壊していいのか」と書かれた紙が置かれていた。歌舞伎にはまったく無知の僕でも、歌舞伎座が建て直しされるということぐらいは知っている。それを残念に思う人々がいることも。でも街は、もし生きているのならば、変わっていくのだ。人と同じように。
 東劇3階の試写室では、『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』の試写を観る。この作品は題名からわかる通りパティ・スミスを追ったドキュメンタリー映画で、監督は写真家らしい。
 有名人(や有名バンド)を追ったドキュメンタリー映画は数多い。最近では、たいしてキャリアのないアーティストを撮影対象にした作品もつくられるようになってきた。おそらくデジタル化によるコスト・ダウンの影響もあるのだろう。失礼ながら、対象の知名度に依存するそうした制作態度を安直だと思ったことも多々ある。しかしながらこの監督は、この作品をつくるにあたって取材に11年もかけたという。パティ・スミスという人が----ある種の有名人には珍しくないが-----気難しい性格の人物であろうことは想像に難くない。信頼関係をつくることだけでも困難だっただろうことは、プレスキット(おそらくパンフレットの原稿を集めたもの)に寄せられた監督の手記からも容易に推測できる。ちなみに全編フィルムで撮影されており、そのざらついた質感は、パティ・スミスのイメージにぴったりだ。
 内容については、パティ・スミスが、すでに故人となった自分の家族や自分が影響を受けた人々の墓を詣でるシーンがいくつもあることが、とても印象的だった。それらを含め、彼女と交友があるミュージシャンや写真家、作家、詩人が次々と登場するのだが、その様子はちょっとしたアメリカ文化史の縮図でもある。とくにロック好きにはたまらないだろう。09.7.7
 
パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ
http://pattismith-movie.com/


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