ダーガーの部屋、『地下鉄のザジ』

 昼過ぎに神田へ。小出由紀子事務所で「北島敬三写真展「ヘンリー・ダーガーの部屋」」を観る。この展示は名称からもわかる通り、写真家の北島氏が、ダーガーの部屋が処分される前にその様子を記録した写真を紹介するもの。ちなみにその仕事は、四方田犬彦氏が同所を取材に訪れたのに同行したときになされたものだったとか。小出さんと都築響一氏の編集で、本にもなっている。一昨年に原美術展で開催されたダーガー展では、階段の壁一面に大きな写真が飾られていたが、それとおそらく同じネガを元にした写真もあった。原美術館で飾られていたものよりはやや小さいが、それでも小出事務所の壁一面の大きさに引き延ばされていて、なかなか圧巻。いつものように小出さんとアール・ブリュットアウトサイダー・アートについて少しおしゃべりしてから失礼する(小出さんから北島氏の別の写真展のチケットをいただく。ありがとうございます>小出さま)。


小出由紀子事務所
http://www.yukikokoide.com/


HENRY DARGER'S ROOM

HENRY DARGER'S ROOM

パッション・アンド・アクション―アール・ブリュット

パッション・アンド・アクション―アール・ブリュット


 銀座に移動。アップルストア教文館、山野楽器で時間調整しつつ東銀座へ。東劇3階の試写室で『地下鉄のザジ』の「完全復元ニュープリント版」の試写を観る。いわずと知れたルイ・マルの古典で、以前に観たことがあるような気もするし、ないような気もするが、中身の記憶がないので、初めて観たといってもいいだろう。『地下鉄のザジ』と聞いて、原田知世の歌のほうを思い出すあなたは僕と同世代ですね(笑)。その元ネタはこの映画。こういうのを「スラップスティック」というのだろうか、『アメリ』の原典を見たような気もした。プレスキットによると、ザジを演じた女の子(当時)は、その後、ゴダールの『女は女である』にやはりザジ役で出演したほかには、ほとんど映画の仕事をしていないという。意外。
 移動中はもちろん、フーコーの『生政治の誕生』(筑摩書房)を読む。
 いったん帰室してプールへ。09.7.16