リアルな図書館、ウェブな図書館

 ここ最近の週末では恒例となったが、朝から近所の公立図書館へ。列に並び、開館と同時に「社会人席」で作業開始。
 作業がひと段落したところで、次の作業に必要な資料を持参してくるのを忘れたことに気づく。帰室しなければならないのだが、土日の「社会人席」は混み合っていて、すぐに満席になってしまう。一度席を離れたら座れないかもしれない。でも仕方がない。一度座席指定カードをリファレンスカウンターに返して、帰室し、資料をプリントアウトしてから、また図書館に戻る。リファレンスカウンターで社会人席が空くのを待とうと思ったのだが、一般読書席をふと見ると、空き席がある。一般読書席は、朝の混雑時以外には座席指定は行われていないので、そこに座ることにした。夕方まで作業。
 図書館といえば、グーグル和解案も気になるところ。
 タイミングが悪いが、国会図書館における書籍の電子化について、『朝日』が記事を書いている(この試み自体は知っていたが、記事の存在は武田さんの日記で知った)。


【出版】グーグル和解案の波及効果か いま国会図書館で起こっていること
http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY200908100034.html


 僕は国会図書館のヘビーユーザーで、修論の執筆時には「近代デジタルライブラリー」を使ったのだが、あまりの使い勝手の悪さに閉口した(ファイルがjpegなのだ)。改善されることを望む。
 海外の同種のプロジェクトはどれも使いやすい。プロジェクト・グーテンベルグなどが有名だが、ウェーバーとかマルクスとか有名な書き手については、それぞれの研究者が独自のサイトをつくってテキストをアップしている。そのほか各国の大学図書館や公立図書館が独自のプロジェクトを進めている。フランスの国立図書館の試みも有名だ。EU「ユーロピアーナEuropeana」も最近話題になった。公開と同時にダウンしたことでも(笑)。なおフランス語圏では、ケベック大学の図書館が先駆的だったはず。ウィキペディアにもウィキソースがある。日本国内にも、青空文庫とかプロジェクト杉田玄白とかいくつかあり、「近代デジタル……」より使いやすい。
 念のため確認しておくと、こうしたプロジェクトが対象しているのは、原則として著作権の切れたもののはず。グーグルが問題になったのは、著作権の切れていないものまでスキャンしているからだ。ちなみに僕の本は……スキャンされていない。僕はグーグルにも相手にされていないらしいのだが(苦笑)、それはともかく、僕のテキストを引用した論文を発見できたりして、それはそれで有益だなと思ったりもする。09.8.15