『入門腫瘍内科学』発売----編集者デビュー!?

 相変わらず慌ただしい日々を過ごしていますが、少しでも更新していきます。3連休なんていったいどこの国の話でしょうか……。
 タイミングが悪くて恐縮ですが、10月1日、日本臨床腫瘍学会監修『入門腫瘍内科学』(篠原出版新社)という本が発売されました。一部書店ではすぐに並び始めたのですが、アマゾンで購入可能になるまでに1カ月近くかかりました。取次の都合だそうです。


@篠原出版新社
http://www.shinoharashinsha.co.jp/Books2.aspx?PID=224&PNO=-1


入門腫瘍内科学

入門腫瘍内科学


 僕の知人には教科書の制作にかかわっている人が何人かいますが、僕もかかわったわけです。来年4月から複数の医学部で教科書採用されることになるでしょう。
 僕はこの本の制作に編集者としてかかわりました。「略語一覧表」や「薬剤名一覧表」の作成、本文中の略語、薬剤名の表記法の統一、索引作成、著者名一覧作成などを担当しました。僕の名前は奥付に小さく書かれています。
「略語一覧表」では、略語、英語フルスペル、日本語訳を併記しました。たとえば「EBM」、「evidence-based medicine」、「根拠に基づく医療」というように。もちろん当該略語が使われる頁も記されており、辞書的に使うことが可能です。
「薬剤名一覧表」では、一般名カタカナ、一般名英語フルスペル、略号、商品名カタカナを併記しました。商品名には、商標登録されているものとそうでないものがあり、すべて特許庁のウェブサイトで調べ、登録されているものにはマルで囲んだRを上付で記しました(これはアメリカの法律で定められていることであり、日本では記さなくてもとくに問題ないそうなのですが、念のため)。もちろん当該薬剤名が使われる頁も記されており、これまた辞書的に使うことが可能です。
 本文中の薬剤名の表記も統一しました。薬剤、とくに抗がん剤には、上記のように複数の名称があり、著者らはみんなばらばらに使っていたので、統一という単純作業にもそれなりの時間がかかりました。
「略語一覧表」も「薬剤名一覧表」も、類書にある同様のものよりずっと多くの項目を盛り込み、充実させました。かなりマニアックなものになっています。
 B5版、横組み2段、300頁、本文2色刷で、たったの3150円! 安い! 安すぎる! もっと内容の浅い類書が5000円ぐらいで売られているのに!
 みなさま、周囲の医療関係者にご推薦していただけたら幸いです。医師はもちろん、コメディカル、医療ライターにもお勧めです。医療者のふりをして近所の図書館にリクエストしてくださるともっとうれしいです。
 というわけで、編集者デビュー(?)のごあいさつも兼ねた宣伝でした。
 今後ともよろしくお願いします。寒くなりますが、どうぞご自愛を。09.11.20