幹細胞2話

 日本ではiPS細胞の新たな成果が……。
『毎日』は、

ただ、培養能力には個人差があるとみられ、4人のiPS細胞を別の10人の皮膚細胞を使って培養したところ、うち3人では増殖しなかった。また、マウスの細胞を使った場合の方が繰り返し培養しやすかったという。

http://mainichi.jp/select/science/news/20091202dde001040031000c.html

 と書き、『朝日』も、

一方、この4人を含む14人の細胞からフィーダー細胞を作って、それぞれ別人のiPS細胞の培養を試みたが、うち3人の細胞では培養できなかったという。/高橋講師は「自らの細胞からフィーダー細胞を作ることはiPS細胞ならではの利点。今後は、培養できた人とできなかった人がいる理由を探りたい」と話している。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200912020060.html

 と書いている。「自己移植(自家移植)」はまだまだ夢か。やっぱり「オーダーメイド」よりも、バイオバンクを前提とする「レディメイド」幹細胞((c)『ネイチャー』誌のデービッド・シラノスキ記者)のほうが現実的なんだろう。
 論文は『プロスワン』で公表とか。無料で読めるのがありがたい。
 
Human Induced Pluripotent Stem Cells on Autologous Feeders
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0008067
 
 アメリカではNIHがES細胞への資金拠出を追加とか。
 CNN日本語版が、

ES細胞は神経や筋肉など、あらゆる細胞に分化することができ、万能細胞として難病治療などに大きく貢献するとして期待されている。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200912030017.html

 と何気なく書いているが、「万能細胞」!? 英語版では、

Human embryonic stem cells are believed to have the potential to develop into any type of cell in the human body.

http://edition.cnn.com/2009/POLITICS/12/02/new.stem.cells/

 とあるが、この文章の意訳かなあ。09.12.3