土曜日、iN細胞、再び水泳帽の消失

 土曜日だというのに、いつもと同じ時間に自室を出る。電車でも通りでも、明らかに仕事モードの人は少なくない。世間でいう休日に休める人と休めない人。世界はやはり分断化されているのか。


 タイミングが悪いけど、先日報じられた「iN細胞」、すごいね。

 マウスの皮膚の細胞に三つの遺伝子を導入し、神経細胞を作り出すことに米スタンフォード大の研究チームが成功し、この細胞を「(人工的に)誘導さ れた神経細胞」を意味する「iN細胞」と名付けた。ES細胞(胚(はい)性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)のようにどんな細胞にも変化できる 「万能細胞」を使わず、体細胞から直接、形質が全く異なる細胞を狙い通りに作成した成果として注目される。27日付の英科学誌ネイチャー(電子版)で発表 した。(須田桃子「iN細胞:皮膚から神経細胞 iPS使わず??米マウス実験」、『毎日新聞』2010年1月28日 東京朝刊)

http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/01/28/20100128k0000m040133000c.html

 ハーバード大のチームが「膵臓外分泌細胞」からベータ細胞を直接分化誘導させることに成功したときにも驚いたけど、今度は皮膚から神経細胞である。
 どちらもiPS細胞の樹立技術の応用ではあるのだが。
 iPS細胞はES細胞とは違って、倫理的問題(が起きる可能性)が「少ない」と思われているが、「ない」わけではない。
 では、このiN細胞ではどうだろう。ジャーナリストも学者も、科学技術を論じたければ、次の次の、そのまた次まで先を見越して議論をしないと、本物にはなれないと思う。たとえばこう問うことだ。「iN細胞は、どのような倫理的・社会的問題を引き起こす可能性があるのか?」。気が遠くなりそうな話だが……。
 

Direct conversion of fibroblasts to functional neurons by defined factors
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature08797.html
 

 仕事の帰りに映画でも観ようと思い、『サンシャイン・クリーニング』が早稲田松竹でやっているはずだと思い出して調べてみたら昨日で終わっていた。残念。別の作品を観ようと思ったが、明日の仕事のために体力を温存しておこうと思い直し、まっすぐ帰室。すぐにプールへ。また帰室して、タオルと水着を干そうとしたら、水泳帽がない。また忘れてしまったようだ。これでたぶん3度目。またフロントに届けられているといいのだが。10.1.30