リスク報道のトラウマ?
僕は定期的に(とくに朝)Google Newsをチェックする。「日本」だけでなく、気まぐれに「US」や「UK」ものぞく。「US」や「UK」には、日本にはない「Health」というカテゴリーがあり、医療や生物学関係のニュースをチェックするのに便利である。
日本語圏と英語圏では、話題となるテーマがかなり異なることもすぐにわかる。
テーマをいわゆるリスクの問題に絞ると、いま日本語圏では口蹄疫がもっぱら問題になっているが、英語圏では、「加工肉と心疾患」や「携帯電話の電磁波と脳腫瘍」、「農薬とADHD」などが話題になっている。加工肉はともかく、携帯電話の電磁波や農薬って、ひと昔前には日本でも盛んに報道されたが、最近はあまり話題にならないようだ。上記のニュースも、外報として伝えられてすらいないようだ。なぜだろう。
僕の推測だが、日本のメディアは過去、環境ホルモンや遺伝子組み換え食品、電磁波などのテーマでずいぶんと先走りしすぎ、危険を必要以上に“煽って”しまったということがトラウマになっているからではないだろうか。そして僕もまた、ほんの片隅でだが、それに荷担したのだ。その事実を隠すつもりはない。
メディアはあれから成熟したのだろうか。あくまでも自戒を込めて疑問に思う。
確かに、必要以上に危険を煽ることは、基本的によくないことだと思う。が、まったく伝えられないというのもおかしいと思う。しかし、心ある記者はその伝え方に思い悩んで躊躇しているのかもしれない。そう考えることにしよう。そして心ない人たちのことは忘れてしまおう。10.5.20
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