『エクスペンタブルズ』

 夜、いつものシネコンで、いわずと知れたスタローン監督の話題作『エクスペンタブルズ』を観る。
 しかしよくここまで80年代肉体派俳優(?)を集められたものだ。シュワちゃんブルース・ウィルスはちょい役だけど、スタローンを含めた3ショットは、そう見られるものではない。あちこちのレビューでネタバレされているけど、ジェット・リー(僕らの世代にとってはリー・リン・チェイ)とドルフ・ラングレン(『ロッキー4』のドラゴ!)の、少林寺vs空手対決はなかなかの見物。
 スタローンの作品では、僕には『ロッキー』よりも『ランボー』のほうが印象に残っている。『ランボー』は、第一作目はベトナム帰還兵の悲哀を描いた秀作だったが、だんだんと反共映画になっていった……なんてことに気づいたのは、3作目『怒りのアフガン』を見終えてからしばらくして、予備校のときだったかな。
『ロッキー』も『ランボー』もどちらも3作で終わったかと思っていたら(訂正:前者は4作目がありましたね)、ともに数年前に突然ゾンビのように復活。両作品はともに“ファイナル”となったようだが、『エクスペンタブルズ』はまだ続くとか。
『エクスペンタブルズ』も軍事アクションという路線という意味では、『ランボー』シリーズに近いかもしれないが、ストーリーはほとんどないといっていい。南米の軍事独裁国に、スタローン率いる傭兵軍団が乗り込んで、ひたすら銃撃、格闘、カーチェイス。アクション、アクション、アクション……。もう孫がいてもおかしくないオッサンたちが、若いモンには負けないぞとばかりにあばれまくる。ジェイソン・ステイサムがかすんでいたぐらいだ。
 男の観客は大喜びだろうが、女性が観たら……大半があきれるでしょうね(笑)。