『アンストッパブル』

 先週の連休は原稿を抱えていて映画を観れなかった。昨日はシネコンのサービスデイだったのだが、JCcastの収録があった。ゲラ校正など一段落したので、今日は、昼間はいつものように御茶の水で仕事を少しだけ、平日よりはスローペースでした後、夜、近所のシネコンで『アンストッパブル』を観た。
 トニー・スコットデンゼル・ワシントンという組み合わせで観ないわけにはいかない。スコットだけを見れば、『サブウェイ123』に続く鉄道パニックものである。彼はこのままパニックもの路線を続けるんだろうか? そういえば年末にT市滞在中に観た『スパイ・ゲーム』もトニー・スコットの作品だ。映像の雰囲気はそのころのものが踏襲されていた。
サブウェイ123』はリメイクだったが、『アンストッパブル』は実話からインスパイアされてつくられたものだという。完全な実録ものというわけではなさそうで、たぶんフィクションの部分もあるのだろうが、それなりに制約はあったはず。『サブウェイ123』ではテロリストを敵にすればよかったのだが、今回はちょっとした人為ミスで起こってしまった事故である。敵はいない。あえていえば、鉄道というシステムそのものが敵である。それに対して、解雇を言い渡されたベテラン操縦士と、家族との問題を抱えている新米車掌が立ち向かう。(余談だが、解雇が決まっている社員が命をかけてプロフェッショナリズムを貫こうとする態度について、若い人の中には、理解不能な人もいるんじゃなかろうか?)
 鉄道が横転するシーンなど大迫力だった。あれはCGだろうか。だとしてもかなりリアル。
 会社が立てた作戦が失敗し、デンゼル演じるベテラン操縦士が長年の知恵とカンで判断して、列車を止めるという展開は、できすぎているといえばできすぎているのだが、基本的には実際にあった通りなのだろう。いつもながら、トニー・スコット作品に出てくる男たちは、男の鑑。
 歴史に残る作品かどうかはともかくとして、エンタテインメントとしては申し分ないだろう。
 明日は『ソーシャル・ネットワーク』を観るかな。