『RED』

 夜、いつものシネコンで『RED』を観る。まったく期待せずに、である。長年の経験で、映画は期待せずに観るのがコツであることを、僕は知っている。残念ながら。
 映画情報サイトなどで、引退したスパイたちが活躍するアクション映画ということは知っていた。だから『エクスペンタブルズ』みたいな内容のない作品かと思ったが、結論をいうと、まあまあだった。冷戦時代に活躍していたという設定はそれなりに活かされていたし、無意味に多いアクションも十分に楽しめるレベルのものだった(後者は『エクスペンタブルズ』と同じか)。
 舞台の場所が変わるたびに、昔の映画のオープニングのような、古くさい文字と絵と効果音でそのことを強調とするのは……タランティーノの影響?
 出演者はベテランばかりなので、演技はもちろんまったく問題ない。
が、ブルース・ウィルスモーガン・フリーマンはともかくとして、ジョン・マルコヴィッチヘレン・ミレンが大暴れする役で出ている映画ってあまりないかもしれない。監督が、あの超駄作『フライトプラン』の人というのはちょっと意外である。
 まあ、歴史に残る名画とはいえないが、観ている間は退屈しなかった。映画って、それでいいんじゃない?