I’LL BE YOUR MIRROR@STUDIO COAST

 数日前のことをいまごろ書いてどうする? でも書いておこう。
 27日(日)、新木場のSTUDIO COASTで、「I'LL BE YOUR MIRROR」という音楽イベントに行ってきた。ちょっとしたフェスのような感じだった。
 僕の目当てはもちろん、Godspeed You! Black Emperorである。イベントの一部ならば演奏時間が短いうえ、興味のないバンドも聴かざるを得ず、抵抗があって迷ったのだが、BORISやenvyも出演することを知って「おおッ」と思い、それ以上に、GSY!BEは、一度は解散したんだからこれを逃すともう観れない、と思ってチケットを取った。
 全9バンドが2つのステージでプレイ。バーのほかに、エスニックフードの屋台が数軒。ステージとは別に設けられたスクリーンでは、短編映画が上映された。スパイク・ジョーンズパク・チャヌクの小品など、なかなか観る機会のない作品もかかっていたのだが、残念ながら僕は観られなかった。
 オープニングはBOREDOMS。僕と同じ世代の音楽好きの人ならば、「ハナタラシ」というバンドと、その数々の伝説(都市伝説?)を聞いたことがあるかもしれない。僕は詳しくは知らない。が、音楽性よりも話題が先行していたように記憶している。BOREDOMSハナタラシの中心メンバーによるユニットということぐらいは僕も知っている。今回は、DJ(?)+ドラム6人から成る7人編成だった。きわめて実験的。
 次はBORIS。僕が初めてこのバンドを聞いたのは、ジム・ジャームッシュの「リミッツ・オブ・コントール」の音楽としてだった。その後、「告白」でも彼らの曲が使われていることに気づいた。3人組と思っていたら、女性を含む4人でプレイした。彼女はサポートメンバーなのだろうか。
 ステージ2に移動して、envyのスタートを待った。BOREDOMSBORISは、メイン会場の2階のいい席で座て聴くことができた。しかしステージ2は小さく、ついでに僕の背も低いので、メンバーの姿がほとんど見えない場所しか取れなかった。スタンディングである。しかし……それで正解だった。1曲目で“静”から“動”へ転じたとき、何が起きたか……ハードコアやパンクのライブを経験したことがある人ならわかりますよね。オッサンの僕は後ろで大人しくしていて正解だった(苦笑)。
 それにしても、「Scene」が素晴らしかった。僕がenvyを知ったのは、MOGWAIの「Mr.Beast」のライナー・ノーツだった。彼らはMOGWAIオープニングアクトを務めたことがあるらしく、また同アルバムの「I chose horses」に、envyのボーカルがゲスト参加していた。いい曲だった。envyの曲自体を初めて聞いたのは、2006年のヨーロッパ主張のとき、ローザンヌで知り合った日本人バックパッカーとレストランで音楽談義をしていて、彼のiPodに入っていた音源を聞かせてもらったときだったと思う。その後でCDを買った。
 envyの「Scene」とMOGWAIの「I chose horses」はどちらもいい曲で、似た雰囲気の曲だと思っていた。3連のアルペジオという以外にも似ているな、と思っていたら……歌詞が同じであることにさっき気づいたッ!(苦笑) それはともかく、この曲を生で聴けたことは収穫だった。

 最後の目当てはGSY!BEである。早めに席を取ろうと思って、メイン会場に戻ると、FUCK BUTTONSという僕の知らない2人組みユニットが打ち込み演奏を続けていた。ある部分では、The Album Leafのある曲のイントロを繰り返していた。おそらく尊敬しているのだろう。
 休憩時間に人が動き、2階のわりといい席に座ることができた。DIRTY THREEをなんとなく聴いて、いよいよGSY!BEである。GSY!BEは、9人編成とも11人編成ともいわれているが、今回ステージに立ったのは、8人(だったと思う)。イベントの一部なので演奏時間は短いと思っていた。そしてGSY!BEの曲は長い。せいぜい3曲ぐらいだと思っていたら……なんと、午後9時半ぐらいから11時半ぐらいまで、ほぼ2時間、みっちりプレイした。6曲ぐらいやったと思う。まさか、「The Dead Flag Blues」や「Storm」を生で聴けるとは……僕が満足したことはいうまでもにない。

 会場の平均年齢は若かった。僕のようなオッサンもちらほらいることはいた。そのうち1人が、あるプログレバンドが「再結成」して来日することになっている、と話すのを偶然耳にしてしまった。シーンの最先端を行くバンドたちがプレイするイベントの会場で、そのバンド名を聞くとは……。
 そのオッサンは「言うのも恥ずかしいんだけど……」と自己弁護しながら話していた。その気持ちは、そのバンド名に反応してしまった僕には、痛いほどよくわかる(苦笑)。というわけで、今度は懐メロを聴くためにチケットを取ろうと思う。しかし、懐メロを聴くのに○千円とは、高いなあ。


 ……以上、主にtwitterでのツイートからまとめました。