UK「Reunion Japan Tour 2011」

川崎のクラブチッタで、UKのライブ「Reunion Japan Tour 2011」を観てきた。往年のバンドが再結成して、古い音楽を大切にする国=日本でツアーをするという「ビジネスモデル」(byT氏)が一般的になって久しいが、これもそれだろう。
再結成といっても、現役(?)時代のメンバーは、ジョン・ウェットン(ベース、ボーカル)とエディ・ジョブソン(キーボード、バイオリン)のみである。ドラムとギターは、ウェットンらとは親子ほど年の離れたプレイヤーが担当。
オリジナルメンバー2人だけで「UK」という名義を使うのはいかがなものか、と思わなくもない。「ウェットン・アンド・ジョブソン」という名義だったら、もう少し良心的(?)に感じられるかもしれない。しかし、UKはそもそも短命なバンドだったし、その短い活動帰還の間にも大きなメンバー・チェンジがあったので、まあいいか、という気もする。
前置きが長くなったが、1曲目は、僕は「アラスカ」だろうと推測していたが……外れた。「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」だった。名盤「UK」(邦題は「憂国の四騎士」!)のオープニング曲である。UKの代表曲といってよく、僕も好きな曲だ。ウェットンは、数年前エイジアで来日したときに観たときには、親指でベースを弾いていたが、今回はちゃんと(?)ピックで弾いていた。アルバム「デンジャー・マネー」は、ギタリスト不在のトリオ編成で活動していたときにレコーディングされたが、この表題曲をはじめ、同アルバムの収録曲は、基本的にギターを織り交ぜてプレイされた(そういえば某ブートレッグCDでは、「UK」のメンバーで演奏された「デンジャーマネー」収録曲が収録されていた。あれは貴重かもしれない)。「アラスカ」、「タイム・トゥー・キル」も、「UK」やライブ盤「ライブ・アフター・ナイト」と同じく連続で演奏された。
さて、周知の通りプログレ・バンドでは「ソロ」のコーナーが定番である。まず数分に渡るドラム・ソロがあった。続いてジョブソンがやはり数分に渡るバイオリン・ソロを展開した。ウェットンは、アコースティック・ギターで、キング・クリムゾンの「ブック・オブ・サタデイ」の弾き語りをした。「40年前につくった曲だよ。僕は5歳だった(笑)」。嘘つけ。ギタリストの人のソロはとくになかった。
問題はソロのコーナー以外のときのことである。僕は、おそらくファン・サービスで、クリムゾンの曲をやるんではないかと推測していた。周知の通り、ジョブスンもまたクリムゾンと縁があるということもある。その予想は当たった。「スターレス」と「ワン・モア・レッド・ナイト・メア」がプレイされた。ソロのコーナーはともかくとして、UK名義のライブでクリムゾンの曲をプレイするのはいかがなものか……と思いつつ、それなりに楽しんでしまったのだが(苦笑)。
アンコールの2曲目に、ジョブソンのピアノのみの伴奏で、「ランデブー602」が歌われた。「アコースティック・バージョン」というのは安易といえば安易な試みではあるが、それなりにいい味を出していたと思う。
なおいうまでもないことであるが、会場の平均年齢はきわめて高かった。開始直前やアンコールのときなど、みんな手拍子をしながら「UK! UK!」と連呼してしたのは、武道館でのライブを収めた「ライブ・アフター・ナイト」の影響であろう(あの連呼はヤラセ説もあるのだが…)。
残念だったのは、ウェットンのボーカルがサビなど高音部で弱かったこと、にもかかわらずほかのメンバーによるコーラスがなかったこと、ドラマーがツーバスでそれなりの存在感を出していたのに、ギタリストは失礼ながらアラン・ホールズワースのコピーに終始していたように見えたこと、などなど。
でもまあ、まさかUKの曲を生で聴くことができるとは夢にも思っていなかったので、それだけで十分満足できた。さてさて、次は誰のライブを観ることになるのかな…。


追伸:
あるブログでセットリストがアップされていた。正確かどうかわからないが、僕の記憶より信用できるだろう。

01. In The Dead Of Night
02. By The Light Of Day
03. Presto Vivace And Reprise
~ Kimitachi Saiko Dayo ~
04. Danger Money
05. 30 Years
06. Alaska
07. Time To Kill
08. Starless
09. Carrying No Cross
10. Drum Solo
11. Violin Solo
12. Book Of Saturday
13. Nevermore
14. One More Red Nightmare
15. Caesar's Palace Blues
16. Sahara Of Snow Pt. II
~ アンコール ~
17. Night After Night
18. The Only thing She Needs
~ アンコール ~
19. Rendezvous 6:02

http://yamasaki.blog.smatch.jp/blog/2011/04/uk-4f37.html