『裸のマハ』

諸事情で、というほどのことでもにないが、数カ月後にゴヤ展をたぶん観ることになりそうなので、その予習(?)として、映画『裸のマハ』をDVDで観る。
周知の通り、『裸のマハ』とはスペインの宮廷画家フランシスコ・ゴヤの同名の作品名。『着衣のマハ』と一対になっており、そのモデルは不明とされている。映画『裸のマハ』は、ゴヤと愛人関係にあったアルバ公爵夫人が謎の死を遂げることから物語が始まる。自殺か、他殺か。他殺だとしたらなぜ。そして夫人の死の直前に完成した『裸のマハ』のモデルは誰なのか。夫人なのか、ゴドイ宰相の愛人エピータなのか。
19世紀のスペイン宮廷を舞台に、憎悪や嫉妬といった人間感情のぶつかりあいが、美しい衣装や音楽、建築などのなかで描かれる。原作があるらしいが、小説なのだろうか。この手の歴史ものの映画を観るたびに思うのは、どこまでが史実で、どこからが創作なのか、ということ。つまり歴史考証がどこまで徹底されているか、ということ。残念ながらウェブ上で読めるレビューだけではわからなかった。
しかしそのことは映画そのものの評価とはあまり関係がない。100パーセントの事実の再現はありえないし、ありえても面白くないだろう。
ほかの出演作と同じく、ペネロベ・クルスは美しい。なおゴヤを描いた映画作品としては、『宮廷画家ゴヤは見た』というものもある。これについてはまたいずれ書くことにしよう。