『ライフ』

シネコンのサービスデイを利用して、『ライフ いのちをつなぐ物語』を観る。文字通り世界中の生きものたちの知られざる姿を記録したドキュメンタリー……といっても間違いではないと思うが、対象になっているのは主に動物。『ディープブルー』以来つくられ続けているネイチャー系ドキュメンタリー映画だが、ナレーションが入っている。しかもBBC制作だというのに、ナレーションは日本語だ。エンディング・テーマはミスチルだった。洋画か邦画かよくわからない作品だったが、わからなくてももちろんかまわない。ナレーションによるガイドは親切といえば親切なのだが、余計といえば余計だった。
『ディープブルー』を観たときは「これ何?」と何回も思いつつ、スクリーンでの展開に目が釘付けになったが、『ライフ』ではそのような見方を強いられることはなかった。優しく啓蒙される感じである。
興味深い映像もあった。たとえばあるアリは食べられない草を噛みきって、巨大な巣に運ぶのだが、巣の下でキノコを栽培するためだということが明かされる。あるクワガタムシのオスは、メスに近づくために何度もほかのオスと決闘し、相手を木から落とす(相手を噛みきるわけではないし、落ちた敗者もそれで死ぬわけではない)。そして勝者のオスはメスと交尾をするのだが、僕にはメスは嫌がっているように見えた(笑)。そして交尾が終わった後、オスはメスをオスどうしの決闘のときのように、ぶん投げてしまう。クワガタの世界では、レイプとDVがデフォルトなのだろうか(笑)。
まあ、『ディープブルー』ほどのインパクトはなかったが、劇場にいる間、それなりに楽しめたことでよしとしよう。