『大地震』

DVDで『大地震』を観る。やはり隣町のTSUTAYAの「パニック」コーナーで見つけたものだが、パニック映画の古典らしい。たぶん初めて観る。「たぶん」というのは、僕が十代のころにはテレビが映画をやたらと放映していたからだ。夜9時からのいわゆる洋画劇場のほか、平日の夕方とかにも、当時ですでに古い映画が流されていた。その時間帯には、この手のパニック映画やアクション映画をよくやっていた。だから観た可能性はある。しかし記憶はない。
1974年の作品で、主演はチャールトン・ヘストン。ロサンゼルスで大地震が起きる。主人公は建設会社に勤める技師で、その妻は社長の娘。2人の関係はすでに冷めており、男には愛人がいた。そのほかに数名、地震によって翻弄される姿が描かれる。ある者らは助け合い、ある者らは足を引っ張り合う。たとえば、ふだん気弱なスーパーの店員の男は州兵として招集されたときに地震に遭遇し、治安維持にかり出される。自分をからかっていた者たちが略奪をしているのに出くわし、容赦なく彼らを撃ち殺す。バイクのスタント・アクションで一儲けしようと思っていた2人組は、技師の愛人とその幼い子どもを助ける。助けられた愛人と技師の妻は、余震の影響で、同じ場所に閉じ込められてしまう。社長は死に、技師は閉じ込められた人々を助けようとする。
この映画では地震によってダムが決壊する。ダムの決壊やビルの倒壊などのシーンはおそらくミニチュアで撮影されている。コンピュータ・グラフィックスに慣れてしまった目で見ると、このうえないほど稚拙だが、いまの技術を基準にして40年近く前につくられた映画を批評すべきではないだろう。むしろ当時では最先端であったかもしれない。
この映画の舞台はロサンゼルスだが、約20年後に起きるノースリッジ地震を予言していた……というのは、考えすぎであろう。