『猿の惑星・征服』

シリーズ4作目。前作で、未来世界からやってきたコーネリアスジーラの間に生まれた子どもがひそかに生き延びていた。一方、疫病が流行ってイヌとネコが死滅し、人類はサルをペットにするようになった。そしてサルは訓練すれば、「使える」ことに気づき、ペットではなく奴隷として扱うようになった。そしてコーネリアスジーラの子どもであり、言葉を話す唯一であるシーザーは、サルを率いて反乱を起こす……というストーリーは、子どものころテレビで観た記憶通りだった。
今回気づいたのは、サルに共感を示す数少ない人間の1人が黒人であり、しかもタートルネックを着ていること。彼とシーザー、知事との間で交わされる会話はなかなか味わい深い。知事はシーザーに、自分たちはサルの子孫であり、その暴力を引き継ぎつつ、恐れていると話す。黒人の知事補佐(?)は、自分が奴隷の子孫であると述べ、シーザーたちに暴力をやめるよう説得する。公開は1972年。
そしてもうすぐ公開されるという『猿の惑星 ジェネシス』は、予告などによると、サルが知性を持って人類に反抗し始めるという話らしい。ということは、リメイクといってもベースとするのは『猿の惑星』ではなく、この『征服』なのだろう。人種問題がどのように変奏されるのか? バイオは? 楽しみ。