『不死細胞ヒーラ』
書評紙『図書新聞』10月15日号(3034号)5面にて、レベッカ・スクルート著『不死細胞ヒーラ』(中里京子訳、講談社)の書評を執筆しました。題名通り、世界で初めて培養に成功したヒト細胞「HeLa細胞」の歴史と、それを採取されたヘンリエッタ・ラックス、そしてその家族たちの人生を描いた本です。
世界で初めて“不死化”された細胞とそれを採取された女性、そしてその家族の物語――アメリカ史の暗部に光をあて、同時に科学や医療のあり方に再考を促してもいる
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_article.php
評者◆粥川準二
不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生
レベッカ・スクルート 著 中里京子 訳
講談社
- 作者: レベッカ・スクルート,中里京子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 単行本
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そうしたことを差し引いても、ここ数年読んだノンフィクションのなかで、最も強く印象に残る作品です。
原著の裏表紙では、『ファストフードが世界を食い尽くす』(草思社)で知られるエリック・シュローサーが、この作品はフィリップ・K・ディックやエドガー・アラン・ポーの作品を彷彿とさせる、という推薦文を寄せているのですが、僕にはフォークナーなどの南部ゴシックを思い出させました。
みなさんもご一読ください。
The Immortal Life of Henrietta Lacks
- 作者: Rebecca Skloot
- 出版社/メーカー: Crown
- 発売日: 2010/02/02
- メディア: ハードカバー
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Biotechnology and Culture: Bodies, Anxieties, Ethics (Theories of Contemporary Culture)
- 作者: Paul P. Brodwin
- 出版社/メーカー: Indiana University Press
- 発売日: 2001/01/22
- メディア: ペーパーバック
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Culturing Life: How Cells Became Technologies
- 作者: Hannah Landecker
- 出版社/メーカー: Harvard University Press
- 発売日: 2010/03/30
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