『戦火の馬』

いつものシネコンで『戦火の馬』を観る。いわずとしれたスピルバーグの新作で、原作はイギリスの児童文学。
イギリスの貧しい農家に買われた馬が、第一次大戦に翻弄される様が、馬の視点で描かれる。農家の少年からイギリス軍の将校、ドイツ軍のほとんど少年のような兵士、フランスの少女、またドイツ軍、そしてまたイギリス軍へと、馬の居場所と飼い主は次々と変わり、やがて奇跡のようなことが起こる。そういうところはスピルバーグらしい。
スピルバーグの戦争もの映画といえば、あのリアリズムをどうしても期待してしまうが、この作品では児童文学が原作ということもあり、血しぶきなどは控え目だった。おそらく歴史考証もそれなりになされているのだろうが、気になることがなかったわけでもない。あるシーンでは奇襲攻撃をかけるとき、馬に乗り、サーベルを構えた将校や兵士が先頭を切って突撃していた。第一次大戦でもそのような中世の騎士のようなスタイルで突撃が行われたのだろうか? またドイツ人やフランス人が英語が話すのは……まあ気にしないことにしよう。原作が児童文学で、ターゲット年齢を低くしているのならば、ある程度のことは許せてしまう。
もちろんよくできていると思う。僕が作品のメインターゲットでないだけだ。僕としては、予告されている『ロボポカリプス』に期待することにしよう。