『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

六本木に移動し、シネマート六本木で『ぼくたちのムッシュ・ラザール』というカナダ映画の試写を観る。監督はフィリップ・ラルドー。
モントリオールの小学校で、女性教師が自殺する。何人かの生徒はそれを観てしまう。当然のことながら学校は騒然となり、生徒も教師も動揺する。そこにアルジェリアから来たという男性がやってきて、後任の教師になりたいと申し出る。校長はその申し出を受け入れる。彼はバルザックを教材に用いるなど、どこかぎこちない。しかし、生徒たちに対する態度は真剣で、生徒たちは徐々に心を開いている。しかし彼もまた、心に深い傷を負っていることがわかってくる。教師や生徒たちはそれぞれ事情を抱えており、それらからカナダという移民国家の姿がかいま見える。たとえば両親がチリ人だという生徒やアラビア語を解する生徒がいることなど。
同じカナダ映画ということもあって、今年初めに観た『灼熱の魂』を思い出したのだが、プロデューサーが同じ人。なるほど。
どうでもいいことだが、試写会で配付されるプレスキットには、劇場用パンフの原稿をとりあえずホチキス止めしただけのものの場合と、完成した劇場用パンフそのものの場合とがある。この試写では後者が配付されたのだが、ある作家によるレビューの原稿をただプリントしただけのもの(誤植もそのまま)が挟まれていた。製本されたパンフらしきものとは別に、この原稿を加えて編集し直したものを劇場では販売するのだろうか。