『トータル・リコール』
夜、近所のシネコンで『トータル・リコール』を拝見。いうまでもなく、フィリップ・K・ディックの短編「追憶売ります」を原作とし、ポール・バーホーベンが監督し、シュワちゃんが主演した同名作品のリメイクである。監督はレン・ワイズマン、主演はコリン・ファレル。(ちなみに僕の手元には早川文庫版と新潮文庫版の短編集があるが、どちらも訳者は深町真理子。)
- 作者: フィリップ・K・ディック,大森望,浅倉久志,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: 文庫
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それより目立ったのは、すでに多くの人が指摘しているように、同じディック原作の『ブレードランナー』との類似である。貧困層が暮らす側の都市の雰囲気は、『ブレードランナー』のロサンゼルスそのものである。そのほかクルマや銃の形状なども似ていたのは僕の気のせいだろうか。(そもそもバーホーベン版『トータル・リコール』も、数年前の作品である『ブレードランナー』の雰囲気を受け継いでいたようにも思う。)
『フィフス・エレメント』や『スターウォーズ エピソード1』や同『2』、『JM』などを彷彿とさせるシーンもあった。『マトリックス』や『インセプション』をも想起させたのは、記憶の操作、現実と非現実との横断、それらによる自我の曖昧さといったテーマ系が類似しているからであろう(『ブレードランナー』も含めて、この4作の共通性はきわめて高い)。
僕としては十分に楽しめた。しかし、オマージュ的なシーンがあまりに多いため、オリジナリティが低いと観る評者も少なくないだろう、きっと。
追記:
ラストもまた、バーホーベン版のスピリットを受け継いでいた。『インセプション』と同じということ。