『ボーン・レガシー』

近所のシネコンで『ボーン・レガシー』を観る。周知の通りジェイソン・ボーンを主人公とする“ボーン・シリーズ”の4作目だが、監督はポール・グリーングラスではなく、トニー・ギルロイで、マット・デイモン演じるボーンも登場しない。物語が進む時間は『アルティメイタム』のころと思われる。
ボーンと同じように暗殺者として訓練を受けた主人公が、命を奪われそうになり、サバイバルを試みる。女性を巻き込むという展開は『アイデンティティー』と似ている。今回のジェレミー・レナー演じる主人公(たち)がボーン(たち)と違うと思われるのは、遺伝子治療のようなことが施されていて、おそらくはそれによって能力が強化され、かつ、薬を飲み続ける必要があるということ。ボーンたちと違って記憶は書き換えられていないようだ。
またCIAは人間の行動を操る方法を研究していることも背景として浮かび上がる。前シリーズではケータイやバイオメトリクスなどITを使うアイディアがちりばめられていたが、その点は少し後退。
マニラで追っ手を振り切って、女性と2人で逃避行を続ける、というエンディングは、『アイデンティティー』とそっくり。続編が制作されることもすでに決定されているらしいが、続編の冒頭でこの女性が殺されてしまったら、僕はあきれますよ。同じシリーズなのだから、雰囲気が似ているのはかまわないと思うが、ストーリーの流れが似ているというのは、ちょっと問題かもしれない。まあ、あんまり気にならないけど。時間軸からすれば、次作ではボーンが登場してもおかしくなさそう。しかしハリウッドではシリーズものしか企画が通らないんですかねえ。